昔、日本の短編小説のコンテストに選ばれた作品で今でも心に残るものがあります。 それは、ある一人暮らしの男性のところに間違い電話がかかって来て「3丁目の山田だけどラーメン一つ。早くしてね」といった感じのことを言って切れてしまう、というもの。それを受けた男性は、なるほどラーメンか、とごそごそインスタントラーメンを取り出して作り山田さんの家に届ける、というストーリーでした。ミソは、間違い電話だと切ってしまわずに、言われた通りラーメンを作って届ける主人公の奇妙な真剣さにあるわけですが、最近しみじみ「あの話は来るべくシェアリングエコノミーを予言するものであったのだ」と思うのです。 シェアリングエコノミーとは、個人間でモノや時間やスキルをシェアし合うこと。知らない人同士で車や家を貸し借りする、自分の車を運転して知らない人をどこかに連れて行く、連れて行かれる、知らない人に犬を預ける、預かってもらう、知ら