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羽田発の日本航空(JAL)機は那覇、高雄(台湾)上空を通過して南シナ海を横切り、ホーチミン市(ベトナム)のタン・ソン・ニャット国際空港に直行する。 深夜に羽田を発った乗機は、かすかに明るくなる朝方に南シナ海上空を飛ぶ。ここでは中国が複数の岩礁を埋め立て、軍事拠点化しようとしており、ベトナムやフィリッピンなどと争っている。 「場合によっては・・・」などとあらぬ思いが浮かび、眠気まなこながらも救命胴衣に目をやったりしているうちに着陸態勢に移った。 アンコール遺跡群のあるシェムリアップへは、アンコール航空のフライトアテンダントに合掌の挨拶で迎えられて飛んだ。高度を下げるにしたがって、トンレサップ湖周辺の河川が目に入り、水上生活者と思われる家や船らしきものが見えてきた。 アンコール・ワットは独立した1つの寺院であり、アンコール・トムは王宮や多数の寺院を包含した寺域で、カンボジアの国家的重要行事が行
OPECの加盟国、リビアのアルガニ油田(2013年3月23日撮影、資料写真)。(c)AFP/ABDULLAH DOMA〔AFPBB News〕 米エネルギー省が4月29日に発表した石油在庫統計によれば、24日までの週のオクラホマ州クッシング(WTI原油先物の受け渡し地点)の原油在庫は、2014年11月28日以来初めて減少した(51.4万バレル減少して6170万バレル。タンクの貯蔵能力は7080万バレル)。 米国の石油掘削装置(リグ)の稼働数は前週比31基減の703基と2010年以来の低水準となった。3月以降、原油価格は30%超上昇し、米国での原油生産もようやく頭打ちになり、「原油価格は底を打った」との観測が広がっている(5月5日WTI先物価格は昨年12月以来初めて1バレル=60ドルを上回った)。 4月22日、米シェール生産大手「パイオニア・ナチュラル・リソーシズ」は、「市場環境が改善すれば
ロシアの国営武器輸出会社が、中国との間で、最新鋭対空ミサイルシステムS-400を売却する契約を結んでいたことが明らかになった。この新鋭ミサイルシステムの取得によって、東シナ海での中国の「A2/AD戦略」がますます強化されることになる。 アメリカ軍を近づかせない中国のA2/AD戦略 中国人民解放軍の最大の仮想敵はアメリカ軍である。そしてアメリカ軍に対する中国人民解放軍の基本戦略は「接近阻止・領域拒否(A2/AD)戦略」と呼ばれている。すなわち、アメリカ軍ならびにアメリカの同盟軍が中国に接近してくるのを、中国沿岸海域からできるだけ遠くの海域でストップさせてしまおう、という構想である。 この戦略構想を具体的に図式化するために用いられている概念が「第1列島線」と「第2列島線」である(下の図の赤いラインが「第1列島線」、ピンクのラインが「第2列島線」である)。これら2本の防衛線のうち中国から見て外側
「別段『学歴』で採否を決めているわけではない。でも、結果的に学歴が採否に関係してしまうある背景が(少なくとも小社には)ある」とおっしゃる。 それは人事の面接での「話し」の突っ込み加減による、と言うのです。 人生で今まで何をしてきたか? 「あなたは今までの人生で、いったい何をしてきましたか?」 こんな質問をされたら、どんなふうにお答えになりますか? 私は生まれてこの方、人事採用の面接というものを受けたことがないので、実はこういう問題を考える資格がないかもしれないとも思うのですが、世の中では入社試験を筆頭に、様々な人事の面接で、この種の質問をすることがあるようです。 「次の方」 22歳、新卒予定、リクルートスーツに身を固めた大学生の青年が面接室へと入って来ます。基本的な自己紹介のあと、例えば次のような質問があるとしましょう。
前回(「中国人旅行者は日本みやげをこう選ぶ」)、中国人が日本で日本製品を購入する際の3つのポイントとして「品質、面子、贈り物」を挙げました。つまり、品質が良いこと(可能な限り「made in japan」)、中国に持ち帰って友人や知人に見せたりプレゼントする際に面子が立つこと、贈り物に最適であることが重要である、ということです。3回目となる今回は、このうちの「品質」についてより詳しく説明したいと思います。 「品質」にはコストパフォーマンスも含まれる 「品質」に対する異なる考え方 中国人は日本製品を「品質が良い」と褒めますが、彼らが考える「品質の良さ」というのは、我々日本人が考える「品質の良さ」とは若干ニュアンスが異なります。日本人が「この商品は品質が良い」という言う場合、例えば「壊れにくい」「スペックが高い」「質感が高い」「作りこまれている」「新鮮である」等、製品が持つ良さを思い浮かべるこ
中国がすでに736億元を投入して建設を推し進めている南沙諸島のファイアリークロス礁人工島で、3000メートル級滑走路の本格的な建設がいよいよ始まった。 本コラムでもたびたび取り上げているように、この他にもクアテロン礁、ジョンソンサウス礁、ヒューズ礁、ガベン礁、スービ礁が“人工島”として生まれ変わりつつあり、ミスチーフ礁も中国がコントロールしている(参考:「中国のサラミ・スライス戦略、キャベツ戦術の脅威」「人工島建設で南シナ海は中国の庭に」「結局アジアは後回し?中国の人工島建設を放置するアメリカ」など)。 このような動きを受けて、先週ドイツで開かれたG7外相会合で発せられた声明には、南シナ海や東シナ海での中国による軍事力を背景にした拡張主義的海洋戦略に対する“強い懸念”が盛り込まれた。当然のことながら、中国外務省はじめ中国共産党政府はこの声明に対して反発し、とりわけ日本とアメリカに対して強い
公的部門の給料と公的年金を払うための資金が急速に枯渇しつつあるギリシャ政府は、合意がまとまらない場合、5月と6月に期限を迎える国際通貨基金(IMF)への25億ユーロの債務返済を留保することを決めたという。 「もう万策尽きた・・・もし欧州諸国が救済資金を拠出しなければ、(デフォルトする以外に)選択肢はない」とある政府関係者は語った。 ギリシャがデフォルトすれば、同国が総額2450億ユーロに上る欧州連合(EU)とIMFの2度の救済の最初の金融支援を受け取ったわずか5年後に、創設16年の欧州通貨同盟に前代未聞のショックを与えることになる。 国庫が空っぽになりつつある現実が浮き彫り 差し迫ったデフォルトの警告は、債権者から最も緩い条件を引き出そうとするギリシャ政府の狙いを反映した交渉戦術かもしれないが、たとえそうだったにせよ、国庫が急速に空っぽになりつつある現実を浮き彫りにした。 ギリシャのデフォ
国際エネルギー機関(IEA)は3月13日に月報を発表した。月報の中の「米国の原油在庫が過去最高水準となり、近く貯蔵タンクが不足する恐れがある。足下の原油価格の安定はうわべだけのものであり、原油価格底打ちのためにはさらなる生産調整が必要だ」との指摘が材料視されて、16日の時間外取引ではWTI先物価格は2009年3月以来6年ぶりの安値に下落した(1バレル当たり43.57ドル)。 シェール企業各社は生産効率の悪い産地でリグ(掘削機)の稼動を減らす一方、効率の良い産地では生産量を増やしている。そのため「生産量が減らない」との見方が根強い。 昨年急落した原油価格が最近まで安定していたのは、要因の1つとして「石油精製会社による原油の安値買い」があったからだ。しかし、その効果も薄れつつある。世界全体で石油の精製処理量が急増したため、石油製品の分野でも供給過剰のリスクが生じつつあるからだ。 IEAによれば
勢い、飛び込んで来る様々な事象・事件に振り回されがちになるが、このような時にこそ一歩退いて、歴史的あるいは長期的な視点で世界の動向を見極めることが重要であろう。 冷戦が終わり、米国の意識を代弁するかのように、フランシス・フクヤマ氏の『歴史の終わり』(渡部昇一訳、三笠書房、1992年)が発表された。社会主義陣営が瓦解し自由・民主主義陣営が戦いの最終勝利者となったいま、もはや本質的に「対立や紛争を基調とする歴史」は終わったという主張であった。 それと符合するように、欧州でも、英国の外交官であるロバート・クーパー氏の『国家の崩壊』(北沢格訳 、日本経済新聞社 、2008年)に代表される脱近代(ポストモダン)の思想が現れた。 マーストリヒト条約の調印による欧州統合(EU)の進展とグローバル化の動きがこれを後押し、日本を含めた欧米先進国において持てはやされた。 脱近代の思想とは、概ね、(1)国家対立
(英エコノミスト誌 2015年2月28日号) 英国は若い低所得者のカネを使って高齢の金持ちに補助金を出すのをやめるべきだ。 保守党率いる英国政府は、ロンドン大空襲の精神を呼び起こし、緊縮政策に関しては英国民は一蓮托生だと語った。 しかし、英国の戦時中の試練の影響が残る時代に生まれた世代は、緊縮を概ね免れている。 英国の基礎年金額は、経済状況にかかわらず寛大な増額を保証する計算式の下で、2010年以降、16%増加した(実質ベースで5%の増額)。 厚遇される年金生活者 また、年金受給者は、無料のテレビ料視聴契約や無料のバス乗車券、冬季の燃料費補助を享受している。政府は年金受給者の貯蓄にまで補助金を出しており、65歳以上の人のみを対象に、利率4%――政府の借り入れコストの5倍以上の水準――の債券を売っている。 そして、もし保守党が5月の総選挙で政権与党の座を維持したら、高齢者はさらに手厚い援助を
川崎の少年事件ですっかり前後してしまいましたが、4年目の3.11「哲学熟議」に関連する内容をお話したいと思います。タイトルを、 次世代エネルギーへのソフトランディング ~原子力/イスラーム・中国/原油そして~ として社会・経済の一線から城南信用金庫の吉原毅理事長、理科系からロバート・ゲラー東京大学理学部教授(地震学)、文科系から一ノ瀬正樹・東京大学文学部教授(哲学)にご登壇いただき、特定の政治や利害から離れた大学だからこそ可能な場で、結論の出ない問題にあらかじめ結論ありきでない「白熱熟議」を準備したいと思っています。 参加・聴講をご希望の方は電子メールアドレスgakugeifu@yahoo.co.jp宛に「3月11日希望」としてお名前・ご連絡先とともにお申し込み下さい。一通のメールで2人まで予約を受けつけますが、会場管理のため必ず入場される方すべてのお名前を明記下さい。 「山田太郎ほか1人
中国で唯一の政府公認労働組合の最高幹部が、中国国内の労働運動に対する「敵対的な外国勢力」の関与疑惑について警告し、労働者の権利擁護団体の間で不安を引き起こしている。 中華全国総工会の李玉賦・副主席の発言が出たのは、非政府組織(NGO)が、NGOの監視を強化して活動を困難にすることを目指す新法に備えている時のことだ。新法の草案は公表されていない。 政府関係者と支配政党の共産党員が読む国営雑誌「瞭望」の最新号のインタビューで、李氏は「敵対的な外国勢力が浸透工作を強めている」「彼らは一部の違法な『権利』団体や活動家の助けを借りて、労働者階級と労働組合の結束を崩そうとしている」と述べた。 同氏は、3月5日の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)開幕を数日後に控えてそう語っていた。年に1度開催される全人代では、外国政府が多方面で中国に突きつけるとされる脅威が繰り返されるのが常だ。李氏は総工会内の党委
米国オバマ政権のウェンディ・シャーマン国務次官が自らのアジア歴訪について演説し、その内容が日本の主要メディアでも報道された。 同次官は演説のなかで、歴史問題や領土問題について日本、中国、韓国に対して均等に助言を与えるような発言をした。だが、全体としては中国を重視し、日本は後回しという姿勢をにじませた。日米同盟に基づいて日本の防衛を誓約することよりも中国との関わりを強調するという、オバマ政権の従来の路線を反映しているとも言えそうだ。 シャーマン次官はこのほど北東アジアを、中国、韓国、日本という順番で歴訪した。そして、ワシントンに戻った直後の2月27日、カーネギー国際平和財団でアジア歴訪の総括について演説した。 日本の主要メディアは、主にこの演説の歴史問題に関する部分だけを取り上げて報道したが、演説全体の構成や表現という観点から検証すると、オバマ政権の対アジア政策の傾向が浮かび上がる。今回のシ
この日の昼食会は、これまでにあまり例がないものとなった。 最近の韓国の大統領は、財閥首脳を青瓦台に招いて懇談することはあまりない。朴槿恵大統領がこうした会合を開いたのも、2013年8月末以来、1年半ぶりのことだった。 会合自体も珍しいが、その目的も一風変わっていた。大統領が財閥首脳を招くとなると、その目的と言えば、「投資と雇用の拡大」の要望と決まっていた。 財閥首脳は、あらかじめ準備した「投資・雇用拡大計画」を大統領の前で発表し、併せて、「そのためにも政府の支援をお願いしたい」として、規制緩和などに言及するのがお決まりのパターンだった。 翌日の新聞には、主要財閥の投資・雇用拡大計画の一覧表が大きく掲載される。もう何回もこうした会合が繰り返されてきた。だが、その実効性に対する疑問も上がっていた。また、大統領が財閥首脳を「呼びつける」のも、「親しく懇談する」のも、何となく、世論の受けが良くない
バランスシートは重要だ。これこそが、世界経済に影響を及ぼしてきた先の金融危機の最大の教訓だ。 バランスシートの変化は経済のパフォーマンスを左右する。楽観主義と悲観主義の自己成就的なサイクルの中で貸し出しが変動するためだ。 世界経済はすでに信用中毒に冒されている。次の犠牲者は中国かもしれない。 世界経済のバランスシートに関する4つの疑問 今日の世界経済のバランスシートについて考えていくと、4つの疑問が浮上する。脆弱性を引き起こすものは何か。脆弱性がいま顕在化しているのはどこか。世界の国々は以前の債務危機の遺産にどう対処しているのか。世界経済は新たな脆弱性に対処できるのか、という疑問だ。 では、脆弱性の発生源から考えてみよう。金融セクターが統制されていない国々では、公的セクターの分別のなさが危機の原動力になることよりも、民間セクターの軽率さが原動力になることの方がはるかに多い。 信用供与ブーム
日本学術会議は2月17日に、使用済み核燃料(核廃棄物)についての検討委員会で「核廃棄物の処分方法が決まるまで原発を再稼動するな」という提言案をまとめたが、その奇妙な内容が話題を呼んでいる。 確かに日本は1万7000トンの核廃棄物を抱え、その最終処分の方法が決まっていない。これはエネルギー政策のみならず安全保障上も重要な問題だが、原発の再稼動をやめても解決しない。「原発ゼロ」にしても核廃棄物はなくならないのだ。 なぜ「10万年後のゼロリスク」が必要なのか 核廃棄物は、どこの国でも頭の痛い問題である。特に日本は核廃棄物を核燃料サイクルで再処理する方針をとっているが、青森県・六ヶ所村の再処理工場が稼働しないため、各原発の使用済み核燃料プールに貯蔵された廃棄物があふれそうになっている。 これが今回の学術会議の提言の理由だが、それは解決策になっていない。彼らは「暫定保管」という新方式を提案しているが
(2015年2月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 富士山のふもとにあるファナックの研究所。この秘密主義の研究所の壁には、通常の10倍の速さで針が進む時計がある。その狙いは、世界最大のロボットメーカーであるファナックの従業員に、市場投入のスピードの重要性を印象付けることだ。 ファナックについて風変わりな点は、この時計だけではない。同社は情け容赦ないまでに集中した日本企業で、普通の企業というよりはカルト集団のように運営されている。 風変わりな超優良企業 スタッフは黄色い制服を着ている。89歳のファナック創業者、稲葉清右衛門氏が好きな色だ。建物も黄色、敷地内を走るバスも黄色だ。 訪問者は概して歓迎されない。半分以上が外国人である株主との対話は、素っ気ない四半期ごとの現状報告に限られている。 もし愛情を示してもらっていないのだとしても、投資家は少なくとも、お金は見せてもらっている。 アップ
(英エコノミスト誌 2015年2月14日号) 新しい硬貨の導入が、どの通貨を使うべきかという議論を呼んでいる。 2008~09年にインフレ率が800億%に向けて高進した時、ジンバブエはジンバブエドルを捨てて米ドルを使うようになった。 以来、米国の硬貨を入手できない店主は、お釣りの代わりにペンや菓子、チューインガムを客に渡さなければならなかった。 だが、1カ月余り前、中央銀行がジンバブエ国内だけで使われる米セント建ての「ボンドコイン*1」を発行し始めた。これが、ジンバブエには再び独自の通貨が必要なのかどうかという議論に火をつけた。 米ドルの採用で経済が落ち着いたが・・・ 米ドルに切り替える利点は多かった。一夜にして、気まぐれな政府関係者に金銭的な規律が課された。インフレはぴたりと止まり、成長を押し上げ、マクロ経済の安定に対する幅広い期待が生まれた。ひとたび正常な商取引が再開すると、輸入業者は
オバマ大統領は、ISIL(いわゆるイスラム国)を壊滅させるための軍事作戦に、限定的ながらもアメリカ地上部隊を投入することを盛り込んだ軍隊使用権限(AUMF)承認申請を連邦議会に提出した。このようなホワイトハウスの動きに対して日本政府は支持する意向を表明した。 ただし、「日本はアメリカを含む国際社会のISILに対抗する取り組みを一貫して支持してきている・・・今日まで積み重ねてきた人道支援は中東諸国から大きな評価を得ており、しっかり支援していきたい」という声明は、いまだに日本は有志連合国とは一線を画した“戦争とは無縁”の第三者的存在であるといった姿勢を日本国民向けに示している。 しかしながら、日本は軍事作戦には参加していないものの、すでに昨年夏より有志連合国の一員であることは本コラム(「イスラム国と戦う『有志連合』、まぎれもなく日本は一員である」)で指摘した通りである。したがって、いよいよアメ
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