『スポーツニッポン』2005年12月1日号のコラム「OH!サッカー」(内藤博也著)より。 【今季もあと1節を残すだけとなり、Jリーグの各クラブは選手個々に対し、来季の契約を結ぶ意思があるかないかを通達する時期を迎えた。既に横浜では元日本代表の4選手らに戦力外を通告。毎年恒例とはいえ、高年俸のベテラン選手や、あるいは芽の出なかった若手選手がチーム方針の犠牲となっている。 これも、プロの世界といえば仕方ないが、サッカー界は極めて狭い。現役なら選手として、あるいは引退しても評論家として、かつてのクラブの人間と顔を合わせることもある。”クビ”を通告するフロントが目を一度も合わさなかったり、凍った空気に耐えられず、説明もそこそこに話を打ち切ろうとしたら、それこそ、遺恨も残る。通達する側、される側、どちらにとっても、つらい話し合いだが、お互い誠意を持った別れが一度でも契約を結んだ間柄としての礼儀だろう