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  • 超映画批評『桜田門外ノ変』75点(100点満点中)

    『桜田門外ノ変』75点(100点満点中) 2010年10月16日(土)公開 2010年/日/カラー/137分/配給:東映 監督:佐藤純彌 プロデューサー:岡田裕、若松徹 脚:江良至、佐藤純彌 出演:大沢たかお 長谷川京子 柄明 生瀬勝久 加藤清史郎 西村雅彦 伊武雅刀 ≪愛国者たちの潔い最後を描くせつない時代劇≫ 先日、尖閣諸島に色白な船長がやってきて、喧嘩上等とばかりに海保船に特攻を仕掛けてきた。こうした事態に対し、政治家はどう対処すべきなのか。穏健にコトナカレ主義に徹するのか、3倍返しじゃコラァと受けて立つのか。 どちらが正しいのかは、その時点では誰にもわからない。未来から振り返った時、ああすべきだったかもしれない、とわかる程度のものである。たとえその時はおかしな選択だったとしても、それが後々生きてくるなんてケースは腐るほどある。政治とは、常に謙虚な目で分析していきたいものである

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    toronei 2010/10/17
  • 超映画批評『KING GAME キングゲーム』10点(100点満点中)

    『KING GAME キングゲーム』10点(100点満点中) 2010年8月28日、新宿K's CINEMAにてロードショー公開 2009年/日/カラー/35mm/93分/ヴィスタサイズ/DTSステレオ 配給:ファントムフィルム 原作・監督:江川達也 脚:ナーキカインド 保坂大輔 撮影: 西久保弘一 出演:石田卓也 芦名星 窪塚俊介 前田愛 ≪江川監督らしさを押し出し、もっと過激なゲームを≫ 中世のヨーロッパが起源だそうだが、合コンの風物詩こと王様ゲームはどこか日人にぴったりな余興である。 引っ込み思案でひとり突出した事がしにくい国民性ながら、王様の命令という錦の御旗のおかげでちょぴり過激でエッチなコミュニケーションも可能になる。しかも王様自身、誰が何番なのか知らないというギャンブル性。すなわちうまい具合に、誰も責任を取らずにすむ。まるで官僚制のようなシステムになっている。これを日

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    toronei 2010/09/10
    江川達也監督作品か。
  • 超映画批評『悪人』75点(100点満点中)

    『悪人』75点(100点満点中) 2010年9月11日(土)全国東宝系ロードショー 2010年/日/カラー/2時間19分/配給:東宝 原作:吉田修一 脚:吉田修一、李相日 監督:李相日 音楽:久石譲 出演:夫木聡 深津絵里 満島ひかり ≪真の孤独を知る人におすすめのラブストーリー≫ 尽くす女、と呼ばれる女性がいる。遠方に住む異性の友人から窮状を知らされると、いてもたってもいられず送金の準備を始めたり、明らかに身の立つ可能性のないロックミュージシャンをわせる事に生きがいを見出すタイプである。外部から見れば、どうみても堕ちる一方なのになぜそんな事をするのか。 人を愛するものは、自分をも愛する。強い自己愛とプライドを持つ女性が来得るべき幸福を得ていない(と感じる)場合、激しい孤独に見舞われるが、そこで自らの存在意義を実感させてくれる「ダメンズ救い」が癒しになるわけだ。 だが、はたして彼

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    toronei 2010/09/07
  • 超映画批評『魔法使いの弟子』65点(100点満点中)

    『魔法使いの弟子』65点(100点満点中) The Sorcerer’s Apprentice 2010年8月13日(金)全国ロードショー 2010年/アメリカ/カラー/110分/配給:ウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン 監督:ジョン・タートルトーブ製作:ジェリー・ブラッカイマー 原案:マット・ロペス、ローレンス・コナー、マーク・ローゼンタール 脚:ダグ・ミロ、カルロ・バーナード、マット・ロペス 出演:ニコラス・ケイジ ジェイ・バルシェル アルフレッド・モリナ ≪パロディ織り交ぜ笑わせるディズニー実写コメディ≫ ハリウッドのエンターテイメント映画は、長年の積み重ねにより必勝の方程式ともいえる雛形を多数手に入れた。ワンパターンといわれようが、この雛形に毎年面白い映画を生み出す力があるのは確か。だが、そのフォーマットも、誰が装飾をほどこすかで面白さは大きく変わ

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    toronei 2010/08/12
    65点でもオススメのようです。
  • 超映画批評『ヒックとドラゴン』97点(100点満点中)

    『ヒックとドラゴン』97点(100点満点中) How to Train Your Dragon 2010年8月7日(土)新宿ピカデリー他 全国超拡大ロードショー 2010年/アメリカ/カラー/1時間38分/配給: パラマウント ピクチャーズ ジャパン 監督・脚:ディーン・デュボア、クリス・サンダース 原作:クレシーダ・コーウエル 声の出演:ジェイ・バルチェル ジェラルド・バトラー クレイグ・ファーガソン アメリカ・フェレーラ ≪文句のつけようのない横綱相撲≫ 『ヒックとドラゴン』は、いくらほめてもたりないほどの傑作であるが、それは様々な要素が高いレベルで融合された、すなわち完成度の高さによるもの。何かが突出して良いのではなく、すべてがハイクオリティ。まさに死角のない横綱。事件前の朝青龍みたいなものである。 バイキングのリーダーの息子ヒック(声:ジェイ・バルシェル)は、偉大な父とは正反対の

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    toronei 2010/08/02
  • 超映画批評『借りぐらしのアリエッティ』60点(100点満点中)

    『借りぐらしのアリエッティ』60点(100点満点中) The Borrowers 2010年7月17日 全国東宝系ロードショー 2010年/日/カラー/94分/配給:東宝 企画/脚:宮崎 駿 原作:メアリー・ノートン「床下の小人たち 脚:丹羽圭子 監督:米林宏昌 主題歌:セシル・コルベル「Arrietty's Song」 声の出演:志田未来 神木隆之介 大竹しのぶ 竹下景子 ≪高品質ではあれど、どうもスッキリしない≫ スタジオジブリのアニメーション作品の質の高さはいまさら言うまでもないが、宮崎駿監督作品のとっつきにくさだけは別格だと私は思っている。ぱっと見そうはみえないものの、この監督の作品はきわめて作家性が強く、毎回解釈に頭を悩まされる羽目になる。それでも物語をおろそかにせず、若々しい感性と高い娯楽性を兼ね備えていたジブリ初期あたりまでの作品は良かったが、最近のものはどうもスッキリ

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    toronei 2010/07/18
  • 超映画批評『トイ・ストーリー3』95点(100点満点中)

    『トイ・ストーリー3』95点(100点満点中) Toy Story 3 2010年7月10日(土)全国ロードショー 2010年/アメリカ/カラー/110分/配給:ブエナビスタ・インターナショナル(ジャパン) 監督:リー・アンクリッチ 製作:ダーラ・K・アンダーソン 製作総指揮:ジョン・ラセター 声の出演:唐沢寿明 所ジョージ ≪おもちゃを捨てられなくなるシリーズ3≫ ピクサー製作のアニメーションは、頭ひとつ以上抜き出た脚力により、もはや10割打者といってもいいほどの傑作率を誇る。その作品群は原作ものではないオリジナルにこだわった企画ばかりだが、中でも「トイ・ストーリー」は記念すべき第一作。社のアイデンティティーといってもいい、スタッフ全員の夢を託した渾身の一だったわけだ。 この大ヒットからピクサーの快進撃は始まったのだが、その3作目となる作は、そんなわけで安直な「手堅い続編企画」のは

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    toronei 2010/07/10
  • 超映画批評『ザ・コーヴ』60点(100点満点中)

    『ザ・コーヴ』60点(100点満点中) The Cove 2010年7月3日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー 2009年/アメリカ/カラー/91分/配給:アンプラグド 監督:ルイ・シホヨス 製作総指揮:ジム・クラーク 脚:マーク・モンロー リック・オバリー ルイ・シホヨス ≪偽善者ホイホイ≫ 和歌山県・太地町で行われているイルカの追い込み漁を止めようとする、反捕鯨活動家たちのアウトローな活躍の姿を、けれん味たっぷりの演出で描いたドキュメンタリー。冗談好きなオスカー会員たちの悪ふざけか何かで、アカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞した話題作だ。多数の捕鯨反対派へのインタビューと、太地町のイルカ捕殺現場への侵入アクションで構成されている。 なおこの点数はトンデモ映画として見た場合のものであり、内容の正確性への評価は一切含まれていない。 いきなりだが、私と「ザ・コーヴ」

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    toronei 2010/07/04
  • 超映画批評『告白』95点(100点満点中)

    『告白』95点(100点満点中) 2010年6月5日 全国東宝系ロードショー 2010年/日/カラー/126分/配給:東宝 原作:湊かなえ「告白」(双葉社刊) 監督/脚:中島哲也 出演:松たか子 岡田将生 木村佳乃 ≪真っ黒な爽快感≫ 後世になれば、この映画は松たか子の代表作にして最高傑作と呼ばれることになるかもしれない。現時点(2010年6月)における、私が見た中で年度ベストといえるこの映画を、サイトで公開前に紹介できなかった事をたいへん申し訳なく思う。(Web以外の原稿等の締切が、70作品分以上集中する緊急事態でした、すみません) ある中学校の教師(松たか子)が、終業式のホームルームで不気味な告白を始める。数ヶ月前、自分の幼い娘(芦田愛菜)が校内のプールで溺死した事故は、じつはこのクラスの中の2名による殺人だったというのだ。そんな衝撃の事実を知らされながらも、まるで深刻にうけと

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    toronei 2010/06/13
  • 超映画批評『矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~』70点(100点満点中)

    『矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~』70点(100点満点中) 2010年4月29日(木・祝)全国ロードショー 2010年/日/カラー/98分/配給:松竹 監督:中島信也 脚:遠藤察男 音楽:武部聡志 企画・矢島美容室プロデュース:石橋貴明(とんねるず)、木梨憲武(とんねるず)、DJ OZMA 出演:ストロベリー マーガレット ナオミ 黒木メイサ 山裕典 アヤカ・ウィルソン 国内専用ミュージカル 『矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~』を見ると、身の程を知るという言葉がいかに大事かがよくわかる。誰がどう見てもキワモノなこの企画を、作のスタッフたちは予算人員等限られたリソースを自らの得意分野に集中させる事で、それなりに見られる形にした。自分たちにできる事とできない事を冷静に判断できたからこその成功例である。いかにもテレビ的な発想だが、それが良い方向に

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    toronei 2010/05/21
  • 超映画批評『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』55点(100点満点中)

    『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』55点(100点満点中) 2010年/日/カラー/121分/配給:東宝 原作:二ノ宮知子(「のだめカンタービレ」講談社) 監督:武内英樹 脚:衛藤凛 製作:フジテレビ 出演:上野樹里 玉木宏 瑛太 水川あさみ ベッキー 山田優 上野樹里&玉木宏は最高に面白い 映画「踊る大捜査線」が邦画史上に残る大ヒットを記録したので誤解している人が多いが、フジテレビテレビドラマの映画化というものに、それほど熱心ではない。ちなみにその反対はTBSやテレビ朝日。彼らに比べればフジは、オリジナル脚に力を入れるなど、きわめてまっとうな映画作りに力を注いできた。だが残念ながら彼らの勇気ある挑戦は、(われわれ批評家の責任でもあるが)人々に浸透せず、興収面では低調に終わった。 だから、というわけでもなかろうが、2010年のお正月シーズンに彼らは大ヒットテレビドラマ『のだめカ

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    toronei 2010/04/26
  • 超映画批評『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』20点(100点満点中)

    『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』20点(100点満点中) 2010年4月17日公開 全国東宝系ロードショー 2010年/日/カラー/123分/配給:東宝 原作:二ノ宮知子 監督:武内英樹 脚:衛藤凛 製作:フジテレビ 出演:上野樹里 玉木宏 瑛太 ベッキー 谷原章介 1話逃さず見ていたファンならもっと評価アップだとは思うが…… 人気ドラマの完結編は、映画館にて有料でご視聴いただく。広告不況であえぐテレビ局の苦境がしのばれる苦渋のビジネスモデルである。しかも『のだめカンタービレ』の場合は、その映画版が前編後編と分かれている。当然、入場料も二回徴収されることになる。ファンの懐にとっても、テレビ局と不況気分を共有できる仕組みである。 はたして『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』は、二映画に分ける必然性があったのか。今回私はそこを重要ポイントとして鑑賞した。(以降、前編のネタバレを

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    toronei 2010/04/26
  • 超映画批評『第9地区』65点(100点満点中)

    『第9地区』65点(100点満点中) District 9 2010年4月10日(土)、丸の内ピカデリー他 全国ロードショー! 2009年/アメリカ/カラー/111分/配給:ギャガ・コミュニケーションズ、ワーナー・ブラザース映画 製作:ピーター・ジャクソン 監督:ニール・ブロムカンプ 出演: シャールト・コプリー デヴィッド・ジェームズ ジェイソン・コープ 無法地帯、南アにエイリアンがやってきた CS局での番組収録の合間、世界を駆け巡る女性ジャーナリスト(独身)に私は次のような質問をしてみた。「ここだけは行くのを躊躇するヤバい国ってどこ?」 私はてっきりソマリアとかアフガンとか言うのだろうと予想していたが、彼女は「ヨハネスブルグ」と即答した。あの九龍城砦にガイドなし単身で突入した事もある、命知らずの特攻野郎のごとき彼女でさえ、南アフリカ共和国の悪名高い大都市を恐れていたのだ。 南アの治安の

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    toronei 2010/04/09
  • 超映画批評『ダーリンは外国人』40点(100点満点中)

    『ダーリンは外国人』40点(100点満点中) 2010年4月10日公開 全国東宝系ロードショー 2010年/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/100分 配給:東宝 監督:宇恵和昭 原作:小栗左多里 脚:大島里美 出演:井上真央 ジョナサン・シェア 国仲涼子 戸田菜穂 面白い素材を生かすことができず 『ダーリンは外国人』はコメディ、とくにラブコメ作りの肝を分析せずに作ったこのジャンルの映画がいかにひどい代物になるかがよくわかる、すぐれたサンプルである。 イラストレーターのさおり(井上真央)は、「漢字」の美しさに惚れて来日した語学オタクアメリカ人、トニー(ジョナサン・シェア)と知り合い恋に落ちる。日語がぺらぺらでいつも温厚なトニーとの同棲生活は幸せだったが、二人の恋には予期せぬ障害がいくつも待ち受けていた。 小栗左多里による自伝的コミックの実写版。私はそれを読んでいないが、それでもこの映画

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    toronei 2010/04/09
  • 超映画批評『時をかける少女』50点(100点満点中)

    『時をかける少女』50点(100点満点中) 2010年3月ヒューマントラストシネマ渋谷、シネカノン有楽町1丁目ほか全国ロードショー 2010年/日/カラー/122分/配給:スタイルジャム 原作:筒井康隆 監督:谷口正晃 脚:菅野友恵 撮影:上野彰吾 出演:仲里依紗 中尾明慶 安田成美 青木崇高 石橋杏奈 アニメ版でなく、大林監督版のファン限定作品 『時をかける少女』にしろ、『サマーウォーズ』にしろ、あるいは『耳をすませば』にしろ、その魅力はどこかノスタルジーを感じさせる点にある。「今では汚れきった俺にも、こういう純情だった時代あったよなぁ」などと感動するわけだ。 だがよくよく考えてみると、自分の学生時代にそんな甘酸っぱい体験などどこにもなかった事に気づく。ある意味、見ただけで欝になりかねない危険な作品群である。 高校3年生のあかり(仲里依紗)の母で薬学者の芳山和子(安田成美)が交通事故

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    toronei 2010/03/22
    結局プロデューサー欠如、プロデューサーの影響不足という問題がどこにも横たわる。
  • 超映画批評『映画ドラえもん のび太の人魚大海戦』35点(100点満点中)

    映画ドラえもん のび太の人魚大海戦』35点(100点満点中) 2010年3月4日ロードショー 2010年/日/カラー/99分/配給:東宝 監督:楠葉宏三 原作:藤子・F・不二雄 脚: 真保裕一 声の出演:水田わさび 大原めぐみ かかずゆみ 木村昴 関智一 千秋 ドラえもんの魅力をまるでわかってない失敗作 春の風物詩、映画版ドラえもんの最新作だが、なにしろ今年は通算30目ということで力の入れようが違う。原作はあれど映画としてはリメイクでないオリジナル、舞台は海底と、冒険のスケールも大きい。 架空水をつくりだすひみつ道具で町を泳ぎ楽しんでいたのび太(声:大原めぐみ)とドラえもん(声:水田わさび)は、そこで人魚族の王女ソフィア(声:田中理恵)と出会う。彼らは仲間とともに海の底にある彼女の国を訪れるが、その途中でしずかちゃん(声:かかずゆみ)が何者かに連れ去られてしまう。 古代から対立する

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    toronei 2010/03/21
    まあこういうことだよね、声優がスケープゴートになって誤魔化されすぎてる。>間違っても「次の冒険はどこを舞台にしましょうか」との発想から企画を始める事のないように。それは、失敗作への最短切符である。
  • 超映画批評『涼宮ハルヒの消失』80点(100点満点中)

    『涼宮ハルヒの消失』80点(100点満点中) 2010年2月6日からロードショー 2010年/日/カラー/163分/配給:角川映画 監督:石原立也 監督:武康弘 脚:志茂文彦 脚協力:谷川流 声の出演:平野綾 杉田智和 茅原実里 後藤邑子 小野大輔 桑谷夏子 人気が出るのもよくわかる入魂の一作 ライトノベルも深夜アニメも見ない私としては、涼宮ハルヒと遭遇する機会はまずないだろうと安心していた。だから角川の編集者に、いかに熱くその魅力を目の前で語られろうとも、これまでは軽くいなすことができた。 だが映画化されるとなれば話は別だ。もう避けて通るわけには行かない。 しかし、よりにもよってインターネット上でこのタイトルについて下手なことを書けば、間違いなく批評家生命を失うことになろう。そんな恐るべきプレッシャーの中で、しかし私は命がけでこの記事を書くことに決めた。 クリスマスが近いある日。

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    toronei 2010/02/04
  • 超映画批評『なくもんか』60点(100点満点中)

    『なくもんか』60点(100点満点中) 2009年11月14日公開 全国東宝系にて公開 2009年/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/134分 配給:東宝 脚:宮藤官九郎 監督:水田伸生 音楽:岩代太郎 出演:阿部サダヲ 瑛太 竹内結子 塚高史 作り手の高い技量を感じさせるコメディ 『なくもんか』は、タイトルから想像できるとおり最後にホロリと泣かせるコメディドラマであり、作り手、役者の高いテクニックを感じられる作品である。しかしながら、あるいは、だからこそというべきか、その手法は時にあざとさのようなものを強く感じさせる。大きく好みが分かれそうな作品といえるだろう。 祐太(阿部サダヲ)は、幼いころ父に捨てられたが、親切な「デリカの山ちゃん」店主一家にわが子のように愛され、幸せに育った。そのためか、彼は絶対に頼まれごとを断らず、どんな仕事でも、たとえ無償でも喜んで働いた。やがて商店街の名物と

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    toronei 2009/11/14
  • 超映画批評『DISNEY'S クリスマス・キャロル』80点(100点満点中)

    『DISNEY'S クリスマス・キャロル』80点(100点満点中) Disney's a Christmas Carol 2009年11月14日(土)より全国ロードショー ディズニー デジタル 3-DTM同時上映 2009年/アメリカ/カラー/97分/配給:ウォルト ディズニー スタジオ モーション ピクチャーズ ジャパン 製作・監督・脚:ロバート・ゼメキス 音楽:アラン・シルヴェストリ 声の出演:ジム・キャリー ゲイリー・オールドマン コリン・ファース 19世紀の原作が今でも通用することの意味 チャールズ・ディケンズの原作は、これまで50回以上も映像化されたといわれるほどだから、あらすじは誰もが知っていることだろう。作のタイトルにあるディズニーも、以前にアニメーション作品として発表したことがある。 だがしかし、今回のそれは驚くほどタイムリーで、かつ適切な映画化だったのではないかと強く

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    toronei 2009/11/14
  • 超映画批評『わたし出すわ』55点(100点満点中)

    『わたし出すわ』55点(100点満点中) It’s on me 2009年10月31日、恵比寿ガーデンシネマ、新宿バルト9他全国ロードショー 2009年 日/カラー/1時間50分/ヴィスタサイズ/ドルビーデジタル 配給:アスミック・エース 脚・監督:森田芳光 製作総指揮:豊島雅郎 音楽:大島ミチル 出演:小雪 黒谷友香 井坂俊也 山中崇 小澤征悦 小池栄子 究極の投資ははたして幸福を生むのか? 昨今は投資ブーム、というより、FXだの株式投資といったものはもうすっかり人々の生活になじんでいる。正社員以上の人ならば、誰でも何かしら行っているのではと思うほどだ。私の周りでも、ホリエモンのせいですっかり資金を溶かした人から、億単位の儲けを出している人まで、様々な話が聞こえてくる。 そんな時代に森田芳光監督(『椿三十郎』ほか)は、ユニークなオリジナル作品を送り出した。『わたし出すわ』は彼の13年

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    toronei 2009/11/08