〈問い〉 『文芸春秋』12月号の座談会で中西輝政氏が“昭和28年の国会で、戦犯の名誉回復が全会一致で決議された。A級戦犯の靖国合祀も基本的にはこの決議の延長線上にある”といっています。これは本当ですか? 日本共産党も賛成したのですか? (大阪・一読者) 〈答え〉 サンフランシスコ平和条約調印のあと国会では戦争犯罪問題に関する論戦がさかんにおこなわれました。その特徴は、侵略戦争への反省はほとんどみられず、逆に戦争犯罪は、国内法による犯罪ではないから「前科」とはならない、戦争犯罪人は「国の犠牲者」「愛国者」であるといった論議でした。戦犯釈放要請決議も繰り返しおこなわれました。((1)52年6月9日、参院本会議(2)52年6月12日、衆院本会議(3)52年12月9日、衆院本会議(4)53年8月3日、衆院本会議(5)55年7月19日、衆院本会議) これらは、自由党、改進党、両派社会党共同提案といっ