【論説】福井市の一乗谷朝倉氏庭園は国の特別名勝に指定され、歴史的に貴重な遺跡であるだけでなく鑑賞上の価値も大きい。しかし発掘調査から半世紀以上が経過し、庭石など露出した遺構の経年劣化が進行。保存対策を急ぐ必要がある。 こうしたこともあり、このほど同市で開かれた日本庭園学会の全国大会で、発掘庭園の保存や活用について議論が交わされた。課題を克服し、朝倉氏庭園の価値を後世に伝え、全国の庭園遺跡のモデルとなるような維持管理や公開の在り方を考えたい。 朝倉氏遺跡では1991年、諏訪館跡、湯殿跡、南陽寺跡、朝倉館跡の4庭園が特別名勝の指定を受けた。これ以外にも城下町には多様な階層の庭園があった。朝倉氏の文化水準の高さを示し、権力構造もうかがえる遺構として注目され、多くの来訪者の目を引いてきた。 だが、長年土中に埋まっていた庭石が発掘により露出すると、急激な環境変化で劣化しやすくなる。同遺跡の庭石も割れ
競走馬や乗馬用としての役割を終えたサラブレッドが、余生を過ごす養老牧場が福井県福井市美山地区にある。国内で年間約7千頭のサラブレッドが生まれる一方で、ほとんどが寿命を全うできず、殺処分される。高齢馬に寄り添い、最期をみとってきた牧場の女性は「動物は言葉が話せないからこそ深い部分でつながれるのかもしれない。養老牧場は命のともしびを感じられる一番すてきな場所」と話す。 雪化粧した山々に囲まれた同市味見河内町の養老牧場「ドラゴン・ランチ」の厩舎(きゅうしゃ)で、益田真由美さん(54)が馬の顔を優しくなでる。 ⇒福井市出身のバスケ元日本代表、引退後はコーヒー店員に転身 同市出身の益田さんは小学2年生の時、友人と一緒に大学馬術部の練習を見学し、馬の大きさや美しさに感動したという。その後も時間があれば馬を眺め、高校卒業後は地元スーパーに勤めながら、乗馬クラブに通った。馬に触れて世話をするほうが好きにな
新型コロナウイルス感染症の対応に当たる医療従事者に感謝を伝えようと、福井県福井市の小中学生らが1カ月かけて作った折り鶴が8月23日、福井市春山小学校体育館で一列につながった。集まった折り鶴はギネス記録を上回る約34万羽に上り、発案した明道中学校生徒会は「こんなに集まるとは思っていなかった。医療従事者の皆さんへのエールが届くと思う」と感激していた。 ⇒D刊にもっと写真あります コロナ禍で自分たちができることをしようと発案した。PTAと実行委員会をつくり「想(おも)い鶴」と名付けた。市PTA連合会を通じて加盟校などに呼び掛け、市内のほとんどの小中学校が参加した。 各校とも当初の想定の倍以上を体育館に持ち込み、「コロナと戦ってくれてありがとうございます」「お体に気を付けて」と、医療従事者宛てにつづったメッセージを合わせて持ち込んだ学校もあった。23日午後5時ごろ、明道中生徒会執行部が最後の1羽を
関西電力の役員らに金品を渡していた福井県高浜町の元助役森山栄治氏(故人)が1990年代、高浜町を管轄する福井県警小浜署の複数幹部に多額の商品券を贈るなどしていたことが10月4日、関係者への取材で分かった。関電役員らのほか、福祉行政や嶺南振興担当の福井県幹部にも贈答品を渡していた森山氏が、県当局に加え警察との関係性を深めようとしていたとみられる。 ⇒関電金品受領問題を詳しく 多額の商品券を贈られた元幹部は「そのまま送り返した」としている。別の元幹部は取材に対し「(森山氏は)警察にも顔が利くということを誇示したかったのではないか。警察が何らかの便宜を図ることはありえない」と話した。 関係者によると、中元や歳暮、餞別(せんべつ)などを贈られた幹部も多数いたという。助役退任後も教育委員などとして町と関係を持ち続けていた森山氏に、同町役場で餞別を受け取ったある元幹部は「常識の範囲内だったと記憶してい
サッカーの北信越リーグ1部に所属し、Jリーグ入りを目指すサウルコス福井を運営するNPO法人「福井にJリーグチームをつくる会」が資金難で単独運営が厳しい状況に陥ったことが6月26日、関係者への取材で分かった。福井県サッカー協会は支援要請を受け、チーム存続に向け新たなスポンサー集めに協力するなど資金確保に動くことを決めた。 関係者によると、サウルコス福井の活動資金は主にスポンサー料やサッカースクール代のほかに、梶本知暉理事長個人の支えが大きかったという。6月に入り、梶本理事長が体調不良のため入院。選手の給与や遠征費など資金不足の問題が浮上した。サッカー成年男子チームとして出場が予定される福井国体までの単独運営も難しい状況になった。 チームを存続させようと、同つくる会事務局を中心に関係各所を回って支援を求めてきたが、十分な資金確保ができず、25日夜に福井市内で開かれた臨時の理事会で「解散もやむな
第2次世界大戦直後に若狭湾に沈められ、湾内で探索調査が進行中の旧日本海軍潜水艦「呂500」の元乗組員男性が、福井県越前市内で存命であることが6月18日分かった。男性は死を覚悟した戦時下を振り返り、「多くの戦友が死んだ。戦争ほどむごいものはない」と平和を願いながら、同日始まった調査の結果を心待ちにしている。 ⇒【関連】若狭湾で海没「呂500」探索 男性は小坂茂さん(92)。越前市内で家族と暮らしている。1945年、10代で二等下士官として呂500の砲撃手になった。小坂さんによると、当時約60人いた呂500の乗組員のうち福井県民は小坂さんだけで、戦友会の仲間も「今は2、3人」という。17日付の福井新聞報道で呂500の調査を知り福井新聞武生支社を訪ねた。 小坂さんは、南洋諸島トラック島での任務や、神奈川県横須賀市の砲術学校、広島県呉市にあった潜水艦基地などを経て、1945年に二等下士官として同艦
北陸と中京圏のアクセス向上策として、福井県の西川一誠知事が敦賀と名古屋を結ぶ「北陸・中京新幹線」の整備検討を提案したことに戸惑いの声が上がっている。福井県は、北陸新幹線新大阪延伸後のステップにつなげたい考えだが、北陸・中京新幹線は米原ルートと区間が同じ。昨年末に与党が決定した小浜・京都ルートは、まだ政府から認可されていないだけに、「まずは北陸新幹線に全力を注ぐべきだ。両にらみの作戦は足をすくわれる恐れがある」と懸念する関係者もいる。 北陸・中京新幹線は米原ルートと同じく敦賀―米原を新規に建設し、米原―名古屋を東海道新幹線と共用することを想定した基本計画路線。 西川知事は6月2日に大津市で開かれた中部圏知事会議で北陸・中京新幹線を含むアクセス向上策の検討を提案。事務レベルの調整会議を設けることを求め、愛知と岐阜、滋賀、石川、富山の各県と名古屋市が同意した。2023年春の北陸新幹線敦賀開業後の
記事一覧 県商品券で高額の船舶「想定外」 一挙1800万円分使われる (2017年3月17日午前7時00分) 国の交付金を活用し、福井県が2015年に発行したプレミアム付き商品券(発行総額3億円分)の中に、県外企業の関係者がレジャー用船舶を共同購入するため一挙に1800万円分を使うなど多額の支払いで利用した例があったことが、会計検査院の調査で分かった。特定利用者の高額商品購入を支援しないよう国から配慮を求められていた中で、県は「想定外の使われ方だった」と困惑している。 県商業振興・金融課や会計検査院の報告書によると、この商品券は、観光客の土産物購入などを支援して県内の消費喚起につなげようと、県内のホテルや旅館の宿泊者限定で15年6月〜12月、6千円分の商品券1セットを5千円で発行。今回の船を販売した業者を含む県内5543店舗で使えた。 船舶購入の例は、県外企業の社員や家族がそれぞれ買っ
記事一覧 女性警察官がサッカー1級審判に 福井県警白バイ隊の横田碧さん (2016年3月23日午前7時10分) 女性1級審判員に与えられるゴールドワッペンを胸に、意気込む横田碧さん=福井県永平寺町内 女子プロリーグ「なでしこリーグ」の主審を務めることができる日本サッカー協会の女子1級審判員に、横田碧さん(29)=福井市=が福井県内で初めて合格した。全国で46人しか持っていない難関資格をパスした才女は、県警交通機動隊の白バイ隊員。フェアプレーの使者として、ピッチの反則も厳しく取り締まる。 小学1年でサッカーを始め、藤島高では3年間U―18県女子選抜入り。DFとして全日本女子ユース選手権を戦った。 審判を志したのは、中学1年のとき。仲間と軽い気持ちで受けた4級審判員に合格した。「最初は頼まれて受験する感じだった」と横田さん。だが高校1年で3級、警察官になった2009年に2級とステップアップ
記事一覧 元「たま」メンバーが東尋坊ソング 若手でつくるグループとCD発売 (2016年2月12日午前7時10分) 東尋坊がテーマのCD「里もっちEP」 東尋坊のご当地ソングどうぞ―。ヒット曲「さよなら人類」で知られるロックバンド「たま」のメンバーだった石川浩司さんと、東京の若手バンドでつくるグループ「THE LOCAL PROJECT」がこのほど、福井県坂井市の東尋坊を歌ったCD「里もっちEP」を発売した。 「ご当地ソングをこちらでご用意! そちらできっと会いましょう!」がグループのモットー。石川さんのほか、バンド「BARAMON」と「ミックスナッツハウス」で構成。ミックス−のメンバーが、東尋坊で自殺防止活動に取り組む茂幸雄さんに感銘を受け、活動第1弾として企画したのが3曲入りの本作。 リード曲「里もっち音頭」は、茂さんが店主を務める東尋坊の茶屋「心に響く おろしもち」を題材に、ミッ
記事一覧 「小浜―京都案」 米原回りより優位明らか (2016年2月9日午前7時30分) 与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームの検討委で議論されている北陸新幹線敦賀以西のルートは、絞り込みの方向性が見えてきた。JR西日本は小浜市付近を通り、京都駅から新大阪駅につなぐルートを求める姿勢を明確に示した。関西広域連合は従来方針の米原ルートを事実上撤回し、関西経済連合会も4日の検討委で同ルートには否定的だった。「小浜―京都案」が議論の中心になるのは間違いないだろう。 検討委は1月から議論を加速させ、関係者から意見を聞いている。中でも整備新幹線はJRの同意が着工条件になるため、JR西日本の考えは注目された。 1月26日の検討委でJR西は、1973年に決まった整備計画にある小浜市付近を通る若狭(小浜)ルートが基本と表明。ただ当時の計画と違うのは京都駅経由を求めていることだ。観光都市の京都と北陸
記事一覧 小浜―京都案、稲田朋美座長が評価 北陸新幹線敦賀以西ルート (2016年2月3日午前7時10分) 敦賀以西ルートの年内決定に意欲を見せる稲田朋美自民党政調会長=1月30日、福井市内 北陸新幹線敦賀以西ルートを議論している与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)座長の稲田朋美自民党政調会長はこのほど、福井新聞のインタビューに応じ、JR西日本が与党検討委員会に要望した「小浜―京都」案を「京都駅を通ることは、北陸の希望に沿う」と高く評価した。北陸が一つになって臨むことが重要と指摘した上で「年内に決めるというスピード感を持って取り組まなければならない」と強い意欲をみせた。 ―JR西が打ち出した「小浜―京都」案について評価は。 「(1973年の整備計画にある)若狭(小浜)ルートは京都を通らない案だが、京都を通って大阪までという北陸の要望は強い」 ―一方で関西広域連合は2013
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