間違いを許さない「電波社会主義」 この失敗には、政府も責任がある。モバイル放送会社はビジネスとして困難なため休眠状態だったが、総務省がSバンドを確保するために衛星の打ち上げを推進し、周波数を東芝に一本化して割り当て、いわば「国策会社」として韓国と共同で衛星を打ち上げたのだ。 しかし日本で、民間の衛星放送ビジネスが黒字になったケースはほとんどない。WOWOWやスカパーと同じように、モバHO!が赤字経営に追い込まれることは予想されたはずだ。それなのに政府は、失敗した場合の対策を考えず、結果として「死に体」のままモバHO!は営業を続け、25MHzの電波を浪費してきた。 私もメディアのビジネスに長くかかわってきたが、この世界は99%のビジネスが失敗する。コンテンツは市場予測が困難だからである。ところが電波行政は、いまだに政府が用途と技術と免許人を決めて割り当てる電波社会主義が続いている。失敗すると