一人芝居「朝ちゃん」で被爆した少女など4役を演じる堀絢子さん=広島市中区 テレビアニメ「忍者ハットリくん」や「新オバケのQ太郎」で知られる声優・堀絢子さん=東京都=が、広島で被爆した少女ら4役を演じる一人芝居「朝ちゃん」が今年で20年になる。自身も原爆で父を亡くし、反戦・反核や命の大切さを全身で訴えてきた。7、8日に平和記念資料館(広島市中区)で無料公演を行う。 堀さんには父の記憶がない。山口県内で町医者をしていた父は軍医として招集された2カ月後の1945年8月6日、陸軍第五師団(爆心地から約1キロ)で被爆。重傷を負い、トラックで三次市の中学校に搬送された。2週間後、母が駆けつけると、「待っとった」とせきを切ったように自分の死後の指示を話し、翌朝、息を引き取ったという。堀さんが3歳の時だ。母は夏が来るたび号泣し、父の最期を語った。堀さんの脳裏に、原爆に痛めつけられた父のイメージが焼きつ