若者を対象とする研究者と約60人の大学生が「いまどきの若者」について計30時間以上、徹底的に語り合った。そこから見えてきたのは、バブル世代などの大人とは大きく異なる価値観だ。議論は一冊の新書にまとめられた。題して「さとり世代――盗んだバイクで走り出さない若者たち」。 著者は博報堂ブランドデザイン若者研究所(通称・若者研)のリーダー、原田曜平さん(36)。5~8月、若者研に「現場研究員」として参加している首都圏や関西圏の大学生と、消費、恋愛、友だち関係など幅広いテーマについて語り合った内容をまとめた。 スキーブームの当時、ウエアを毎年買い替えていた人もいたというバブル世代について「エコじゃないです」(3年・女性)。海外旅行は「日本も海外も生活様式が変わらない。景色しか変わらないなら別に行かなくてもいいかな」(3年・男性)。「ブランド品を欲しがるのは『下流』です」(4年・女性)。 今の大学生は