http://anond.hatelabo.jp/20080814041810 彼女のことはすぐに見つけた。 思えば何事につけても自信のない俺にもある、数少ない得意なことの一つが、彼女を見つけることだった。 人が何かに秀でる時、理由はだいたい二つしかない。 天分か。 あるいは努力か。 この場合の俺は前者ではあり得ない。「ある一人がいつでも自然に目に入った」なんて言ったら、まるで運命の二人みたいじゃないか。 そんなわけはない。俺は後者だった。自然に目に入るなんてことはなかった。 けれど、自然と目は彼女を追っていたから、いつでも彼女を探していたから。教室でも。移動教室の間の廊下でも。遠足の目的地に着いてからの自由時間でも。彼女の家にパンを買いに行っても。俺ん家の前は彼女が通うエレクトーン教室への通り道だった(でも彼女の家と教室の場所を結ぶと、この道はどう考えても遠回りになることが、俺の当時の幸