刻々と届く膨大なニュースを前に、産経新聞東京本社の近藤豊和編集長(47)は赤ペンを手に大机へ向かっていた。午後2時、東京・大手町の同社編集局。複数いる編集長のうち、この日の当番として1面のニュースを選んでいた。 政治部、社会部など8つの出稿部が特ダネを売り込みに来る。通信社からは「朝刊メモ」と呼ばれる記事の配信予定が十数ページ送信されてくる。テレビは最新のニュースを伝えている。 「1面に収容できる記事は3、4本しかない。何がより多くの読者に必要とされる情報なのか。日々模索、試行錯誤している。インターネットがそれに拍車をかけているように思う」 隣の長机ではニュースサイト「MSN産経ニュース」の編集が続いていた。サイト上では、紙面には載らないニュースもしばしばネット利用者から選ばれ、ランキングの上位となる。 ニュースをネットで読む人が増え「新聞離れ」が進む中、朝日新聞は昨春から東京本社版の1面