単なる詭弁(きべん)か、それとも倒錯した愛情なのか。今月5日、幼児2人を餓死させたとして殺人罪に問われ、大阪高裁で控訴が棄却された中村(旧姓下村)早苗被告(25)は、控訴審で「2人の子供のことは今でも愛している」などと話す一方、殺意を否定した。だが、裁判所は殺人罪の成立を認定、懲役30年(求刑無期懲役)が相当と判断した。十分な食事を与えず、約50日にわたってごみや汚物まみれの部屋にわが子を放置し、裁判所に「むごい」とまで言わしめた行為。それでもなお、中村被告は「理解されなくても『死んでほしくなかった』という気持ちを最後まで訴えたい」と周囲に語り、最高裁に上告した。「殺していない」と否認 「同じような事件で被害に遭う子供を出してほしくない。私にも何か伝えられることがあるのではないかと思った」 こうした理由で控訴し、殺意を否認して臨んだ今月5日の控訴審判決公判。大阪高裁で一番大きい201号法廷