令和最初の紅白で一番輝いたのは、誰よりも自分に正直なこの人だった―。 昨年の大みそか午後11時16分。東京・NHKホールでの「第70回紅白歌合戦」の大舞台で氷川きよし(42)がデビュー20周年記念シングル「大丈夫」と「限界突破×サバイバー」のメドレーを歌い上げた。 「デビュー以来の氷川ファン」という声優・野沢雅子(83)の「絶対、聞いてくれ!」というコールで送り出されると、最初は紅白に染め抜かれた着物姿で「大丈夫」を一節、歌唱。白いスモークに包まれた後はロックスター風の真っ黒な衣装に早変わり。「限界突破―」を激しいヘッドバンキングまで披露して熱唱した。 ばっちりメイクも汗で流れ落ちるほどのパフォーマンスの後は「フー」と息を吐き出すと、会場のファンに投げキッスまでして見せた。そこには、最高の舞台で最高の歌を披露したものだけが持つ輝きがあった。 その3日前のこと。私は斜め後ろ50センチほどの距