第六十九夜では医学界からのご要望で商品化されたMedical-NIKKOR 120mmF4(IF)を取り上げます。メディカルニッコールとしては2代目のこのレンズは、ある意味完成されたマクロニッコールの姿なのかもしれません。今夜はMedical-NIKKOR 120mmF4(IF)の隠された秘話を探ります。 佐藤治夫 まずはメディカルニッコール誕生について調べていきましょう。当時のニコンにおいて、医療関係の光学機器を扱っていたのは機器事業部でした。当時の機器事業部は顕微鏡等の光学機器によって、医学界とのつながりが深く多数のご要望を承っておりました。その状況下で「簡単にしかも正確に手術の記録、研究の記録ができるマクロレンズが必要」と言う判断がなされました。また、腔内鏡の用途だけではなく口内鏡としても使えるマクロレンズ。そんな発想から初代メディカルニッコール200mm F5.6の開発が始まります