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ブックマーク / kmiura.hateblo.jp (6)

  • 無声慟哭 - kom’s log

    朝の5時半、寝ていた無珍先生が起こされた。 「いいかい、パパは今ドイツに戻る。無珍先生はネエネと日で暮らすんだよ」 私はそう伝えた。無珍先生は目を見開いた。その目がみるみるうちに潤んでいった。たちまち大粒のナミダがボロボロと流れた。しかし表情はかわらず、目を大きく開けたまま、声も出さずにナミダだけがこぼれ頬を伝い寝間着に染みこんでゆく。一言も泣き声をあげずに、口を結んだまま。私は絶句した。産みの母親を生後二ヶ月半で失い、四歳になって一ヶ月、父親の私も離れていこうとしている。 私は玄関でを履きバックパックを肩にかけ、義理の妹がだっこしている無珍先生に向き直った。無言の私、無言の無珍先生。義理の妹も無言のままじっと無珍先生を抱きしめている。じゃあ、オーベン(肩車)してあげようか、というと、無珍先生はいつものようにうれしそうな顔で両手をめいっぱい伸ばしてきた。肩にのると、毎度のことながら私の

    無声慟哭 - kom’s log
    toya
    toya 2013/03/05
  • ドイツの税関に電話してみた - kom’s log

    先日フランクフルト空港の税関のことを書いたら、数万のアクセスがあったので、結構気にしている人が多いことがわかった。そこで、多くの人が一番気になるであろう「ドイツ国外からラップトップを持ってドイツに滞在する場合」について税関に電話して聞いてみた。 日在住者がドイツを訪問する際に個人の所持品は課税の対象には当然ならないのだが、問題はその物品がおよそ4万円以上の価値のある物品である場合(例えばラップトップやカメラなど)、それが個人の所持品であって贈り物や販売品ではないことをいかに証明するのか、という点にある。 電話での私の最初の質問は、「ラップトップをドイツ国外からドイツに持ち込むために、フランクフルト空港の税関で何をすべきか」。 回答は、「通常これは問題にならないはずである。もし緑のゲートを通るときに捕まっても、ラップトップの領収書をもっていれば大丈夫。」 引き続き質問。「とはいえ、買ったば

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    toya
    toya 2012/10/15
  • フランクフルトの税関 - kom’s log

    このところフランクフルトの税関で立て続けに演奏家のバイオリンが課税対象になってその場で払えない高額であるため没収された、という件が話題になっている。 http://matome.naver.jp/odai/2134941753199027401 http://nofrills.seesaa.net/article/296070497.html あららー、と思っていたら10日前私が日からドイツに戻ってきたとき、見事にフランクフルト空港ターミナル1の税関で引っかかった。私は近年税関で捕まることは滅多にないのだが、今回はいかにも移民風な安い布製のでかいスーツケースにボロい小さなボストンバックだったんで、怪しい、と思われたんだろうな、と捕まった瞬間に思った。以前はかなりヨレヨレの格好していたからよく捕まっていたものである。 とはいえ今回なにが問題になったかというと、スーツケースに一杯入っていた両

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    toya
    toya 2012/10/09
  • 葬式について - kom’s log

    一人の人間が死んだことを確認するためには儀式的な社会行為が必要であると知ったのはたぶんとても若い山仲間の友人が死んだときである。雪崩の中で窒息死した後輩の葬式。それまでは、葬式、あー、キッチュ、だった。確かに。くだらねえ、葬式。おれはあいつのために川にに飛び込む、葬式なんてしゃらくせえ。葬式がキッチュ、というのは実にあたりまえ、というか理の当然である。でもやらなきゃいけない。それが私が後輩の死から学んだことだった。Condolence。何度もいわれた。彼女のことを知らない人にも。でもそれでいいんだと思う。それは社会的合意なのである。一人の人間が死ぬ、というのは個人が死ぬのではなく社会のなかに穴がぽこっと開くことである。死はその当事者には確認できない。したがって死はどうしても社会的にならざるを得ない。 極端なことをいえば葬式によって擬似的に我々はその人を社会的に殺すのである。そのために葬式が

    葬式について - kom’s log
    toya
    toya 2009/04/10
  • 彼女が死んだ。 - kom’s log

    一ヶ月の間一緒に住んだ。二ヶ月の間、病院で過ごした。短い結婚生活が終わった。 脳幹の梗塞、ということで一度医師団に見放された後に奇跡的に復活したという話はここに書いた。その後の脳の機能回復は私からみるかぎりかなり目覚しく、瞬きを使ってどの曲を聴きたいか、などのコミュニケーションを交わすことができるようになるまで回復した。一方で脳ではなく体の予後が思わしくなかった。初期の激烈な血圧上昇剤投与を停止したことによる副作用と思われる虚血による後発性肝内胆道炎を起こし、おそらくそのことが原因となった肝膿瘍が発症からちょうど2ヵ月後に発見された。細菌の感染も軽微ではあるが、抗生物質で完全に排除することができなかった。脳、肝臓、感染の三つ巴のなかで、治療方針は難航を極め、集中治療室を出ることができずに時間ばかりが過ぎた。この間に私はリハビリについて調べ、特にリハビリの専門家であるバーバラ・ウィルソンの著

    彼女が死んだ。 - kom’s log
    toya
    toya 2009/04/08
  • kom’s log - 突然ですがこれすごいです。

    一年ぶりに今日から日。飛行機の中で隣に座っていた女の子の日語がどことなくたどたどしかったし、パーサーとべらべら某ラテン系のことばで話していたので”日系二世”と思っていたら、某地中海沿岸の国在住まではあっていたが、3年しか住んでいないのだそうだ。大学受験関連かねて一時帰国だという。イギリスの大学も受ける予定で、そちらは生化学だ、というので長い話になった。いろいろと質問するので、ラップトップをひろげて説明した。見た目はパーティーな毎日イケイケ、なのだが、実にしっかりと勉強しているようで感心した。さらにうちの研究所の名前まで知っていたので、うむむ、やるなあ、と思った。日の大学ではどこ受けるの?と聞いたら、日では理系は受けない、だってシステムがちがうから入試試験に合わないし、生化学ないでしょ、というので、いやそんなことないといろいろ説明したのだが、結局あのニッポン理系学部の雰囲気がいやみた

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    toya
    toya 2006/12/21
    あとで
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