[新潮]「再起した同郷の宰相へ 弱き者 汝の名は『安倍晋三』」 今週号の週刊新潮は、作家の田中慎弥氏によるこの一文を読むだけのために、買う価値があると思う。田中氏とは、『共喰い』(集英社)で第146回芥川賞を受賞した際の会見で、「もらっといてやる」と発言して話題になった作家だ。2005年にデビューし、以降、話題作を次々と執筆している。 安倍晋三 山口県出身の田中氏は、新潮に寄稿した文章で同郷の首相に物申している。その内容は、読みながら思わず膝をポンと叩いてしまうようなものであった。メディアでしか見る機会のない安倍氏に対して、筆者が漠然と抱いていた印象が、この一文を読むことによって明解なか形で姿を現してきた。 「政治家っぽくない人、向いてない仕事を背負わされている人」。田中氏は、まず山口県でのイベントで安倍氏に直接会った時の印象を述べる。首相に復帰してからも、「目つきや喋り方は相変わらずで、