自称「独立国家」、飛び地、消滅した国々、廃墟、立ち入り禁止区域……。世界の珍スポットを集めた本には、なんとも言えない面白さがある。マイナーな場所にまつわるマイナーな知識の数々に、知的好奇心がジワジワと刺激されるのだ。適当に開いた箇所からつまみ食いできるのも良いところ。 本書『オフ・ザ・マップ』もそうした本の1つである。「失われた」「地図にない」「誰もいない」「手出しできない」といった様々な事情をもつ38の場所が、それぞれ7ページ前後の量で取り上げられていく。 手つかずの土地があったならば、それを手に入れようとする国が現れるのは時間の問題だと思うだろう。しかし、広い世界を見渡せば意外と例外が見つかる。 スーダンとエジプトの間にある、ビル・タウィールという地域。約2000平方キロメートルほどの台形の岩石砂漠だが、現在どの国も領有権を主張していない。積極的に領有を拒否している国さえあるという。
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