国を挙げて自転車の活用を進めることを定めた「自転車活用推進法」が今月、制定された。全国の自転車愛好者に希望をもたらす法律だ。自転車が自動車や歩行者と譲り合い共生できる1億総自転車活用社会に近づくことが期待される。 師走の東京。幹線道路の自転車専用レーン。道の左端が青くペイントされ、「自転車専用」の表示もあるが、必ずと言っていいほど、残念な光景を目にする。違法駐車に行く手を阻まれるのだ。そもそも車が走れない車線ゆえ、駐車しても自動車交通の妨げにならないと考えるドライバーがいるらしい。自転車がそのまま進めば、駐車車両に衝突してしまう。 仕方なく道路中央側に大きくふくらんでよける。もちろん振り返って後続車の有無を確認する。しかし、自転車のすぐ右脇をかすめるように猛スピードで追い抜いていく車も少なくない。自転車のためのレーンを走っていたのに、かえって危険な目に遭うとは「自転車後進国」ではないかと悲