細田守監督の新作映画『未来のミライ』を娘と一緒に観に行った。そのみずみずしく疾走感がある世界にどっぷり浸りながらも、映画を観ている間、絶えず気になっていることがあった。それは、全編に渡って延々と「鉄道」および「列車」が登場していることである。 試しに、娘にせがまれて買ったノベライズ版『未来のミライ』(角川つばさ文庫)を読み、「鉄道」「列車」「駅舎」が出てくるページすべてに付箋を貼り数えてみたところ、その数、286ページ中60ページ強もあったのである。つまりは少なくとも5ページに1回は「鉄道」が出てくるという計算になる。 まずは主人公である4歳のくんちゃんは、多くの場面で電車のおもちゃを手にしている新幹線が大好きな男の子である。そのくんちゃんに妹が生まれたところから物語はスタートする。ちなみにくんちゃんが妹の名前を決める際、真っ先に挙げた名前は「のぞみ」だった。 細田監督は鉄道ファン? くん