ドリンク成分としておなじみのタウリンが、難病「ミトコンドリア病」の治療薬として初めて承認された。効果を突き止めた研究の中心となったのは、川崎医大(岡山県倉敷市)のグループだった。研究開始から約20年かけて、ようやく難病患者への福音にたどり着いた。 ミトコンドリア病は、細胞の中でエネルギーを作り出すミトコンドリアの働きが低下することで起きる。色々なタイプがあり、その中で脳卒中に似た発作を何度も起こす「MELAS(メラス)」という型が最も多い。患者の脳は発作の度に傷ついていき、発作が起き始めてからの余命は平均16・9年とされている。 2000年に太田成男・現順天堂大大学院客員教授らがMELAS患者の遺伝子異常とタウリンの関わりを報告した。川崎医大神経内科学の砂田芳秀教授らはこの報告に注目し、02年から臨床研究を開始。12年に厚生労働省の研究事業に採択され、翌13年から医師主導治験を始めた。 砂