アイルランド北部に存在した密造酒の「共和国」へと続く狭い道「マモレーギャップ」/mtnmichelle/iStockphoto/Getty Images (CNN) アイルランド最北端に位置するドニゴール県には、壮大な海岸の崖や険しい山々、人けのないビーチがある。 このドニゴール県は、19世紀にポチーン(アイルランドの密造酒)の違法取引の中心地だった。特に県の最北端に位置するアイルランド最大の半島、イニショウエン半島は、ポチーン関連の違法な活動が盛んだったことから、同半島内にあるウリス渓谷の名前を取って「ウリス・ポチーン共和国」と呼ばれた。 ポチーンは、穀物やジャガイモを原料に、田舎の家庭の蒸留窯で作られた蒸留酒だ。アイルランドと強い酒と聞いて真っ先に思い浮かぶのはウイスキーだが、ポチーンの歴史はアイルランド産ウイスキーよりもはるかに長く、その起源は1世紀までさかのぼるという説もある。 1