もうすぐ日本でも『ミュンヘン』が公開されるが、今回はその元ネタとも言えるドキュメンタリー映画の話。 (このネタはいくつかの雑誌に売り込んだがどこも興味を示さなかった。やっと映画秘宝だけが800字だけ書かせてくれた。映画について長い文章を書かせてくれる媒体は本当になくなってしまった) 『ミュンヘン』は1972年9月に起こったミュンヘン五輪村襲撃事件を当時のニュース・フッテージを織り交ぜてドキュメンタリーのように描いている。オリジナルに撮ったフィルムもわざと黄色く退色させ、エッジが甘くて粒子の粗い画面に処理され(しかも揺れ動く手持ちカメラ)、既存のフッテージと違和感なく編集され、ドキュメンタリーのシミュレーションとしては『食人族』と並ぶ本物っぽさだ。 しかし、この部分には元ネタがある。 『ブラックセプテンバー/五輪テロの真実』という1999年アメリカ公開のドキュメンタリー映画だ。 これは、その