今、ビンラディンと暮らしている。あいつが俺の部屋に住むようになって、半年たった。それはまあ、最初にアルカイダから連絡があった時は、ずいぶんびっくりしたものだ。ビンラディンをかくまったりしたら、俺はいったいどうなるのか、想像がつかない。死刑になるかも。しかし、どうしても好奇心が先に立ってしまい、結局はビンラディンと俺、男ふたりが、世田谷のせまい1Kで暮らすことになった。 最初の問題は、あいつのひげのことだった。これはかなりもめた。ラディンは「剃らない」の一点張り。説得して剃らせるのもひと苦労だった。だいたい、あのひげを剃らずにいたら、「僕は、例のテロ事件でおなじみの、ご存じ、ビンラディンでございますよ」と宣伝して歩いてるようなもんじゃないか。おいこら、ひげを剃れ。そのくせ、近所のコンビニにふらふら出かけては、まるごとバナナを買ってきて、むしゃむしゃ食っていたりする。ふざけるなビン。つかまっち