本記事は、北米研究図書館協会(ARL, Association of Research Libraries)のウェブサイトに掲載されたRyan Clough "Digitization in an Emergency: Fair Use/Fair Dealing and How Libraries Are Adapting to the Pandemic"の日本語訳です(ライセンス:CC-BY)。北米の研究図書館が、新型コロナウィルスにより閉館を余儀なくされる中で、米国・カナダ著作権法のフェアユース/フェアディーリング規定を用いて、知識へのアクセスをどのように維持し続けようとしているのか、優れたまとめになっています。 コロナウイルスのパンデミックの中で運営されている他の全ての主要機関と同様に、研究図書館は日々の現実の突然かつ急激な変化に直面しています。これらの課題の中で最も重要なのは、紙の
トランプ大統領が国家非常事態を宣言アメリカ国内のCOVID-19(新型コロナウイルス)感染者数は13日の時点で1875, 2110人、死者41, 48人となった。 トランプ大統領は同日、COVID-19(新型コロナウイルス)対策として、国家非常事態を宣言した。これにより支援金として、連邦資金から最大500億ドル(約5兆4200万億円)の予算を確保できるという。 また大統領は同日から、UKを除くヨーロッパ諸国からアメリカ市民以外の入国を30日間禁止するという大胆な入国禁止措置を取り、ヨーロッパから旅行や仕事でアメリカ行きを予定していた人々や帰国を予定していたアメリカ人の間で大混乱が生じている。 ニューヨーク州の感染者421人にニューヨーク州でも同日、感染者は328, 421人(ウエストチェスター郡148, 158人、ニューヨーク市95, 154人、ナッソー郡51人、サフォーク郡28人など)と
学校図書館は「主体的・対話的で深い学び」をめざす2020年からの教育改革のなかで重要な役割を課されている。 各教科や総合的な学習の時間における調べ学習などで児童・生徒たちがそれぞれ自ら学び、アウトプットのための準備に必要な場として、ここ20年以上にわたって司書教諭・学校司書の配置のための法改正をはじめ、さまざまな整備がなされてきた。 学校図書館の図書購入費・雑誌購読・新聞購読の推移 ところが肝心の学校図書館の経費や図書購入費の推移を見ると、増えるどころか微減傾向の横ばいである。 全国学校図書館協議会「2019年度学校図書館調査」(https://www.j-sla.or.jp/material/research/gakutotyousa.html)を元に作成 少子化の影響やむなしということもあろうが、こうしたことから雑誌の購読割合や平均購読誌数も徐々に減少してきている。 ところが、学校図書
文化庁は、11月29日に「メディア芸術データベース ベータ版」を公開した。 本サイトは、今までに日本国内で発売・制作された歴代のマンガ、アニメ、ゲーム、メディアアートの4分野の作品データベースで、誰でも無料で利用することができる。 ゲーム分野の制作を担当した、立命館大学先端総合学術研究科の福田一史氏によると、「本サイトは、2015年に公開された『メディア芸術データベース 開発版』を基に、図書館情報学やメタデータの専門家が加わったうえで、データベースを通じたメディア芸術所蔵機関のコミュニティや、所蔵情報統合の強化を主たる目的として開発されました」とのこと。 また、本サイトの制作を手掛けた組織体制も福田氏に伺ったところ、事業ディレクションは大日本印刷が務め、有識者会議による方針の策定や承認のもと、メタデータタスクチームがデータモデルの開発とシステム開発の助言を受けたうえで、約1年8カ月の開発期
新聞を購読するもっともメジャーな様式は世帯単位で月ごとに契約し、定期購読する「月ぎめ」によるもの。その月ぎめの購読者は減少中との話だが、なぜ人々は月ぎめで新聞を取らないのだろうか。実情を新聞通信調査会が2019年11月に発表した「メディアに関する世論調査」(※)の結果から確認する。 今調査によれば、月ぎめで新聞を取っている人は減少中。もっとも古い記録の2008年度時点では88.6%だったのが、直近年度の2019年度では66.6%にまで減少している。 ↑ 月ぎめで取っている新聞(複数回答、新聞種類別)そこで月ぎめで新聞を取っていない人に、なぜ新聞を月ぎめで取らないかに関して尋ねたところ、直近の2019年度では「テレビやインターネットなど他の情報(源)で十分」とする意見がもっとも多く、70.7%に達することとなった。 ↑ 月ぎめで新聞を取らない理由(取らない人限定、複数回答)(2019年度)次
先週、NHKの「クローズアップ現代+」で放送された「揺れる“非正規公務員”〜急増する背景に何が?〜」(11月6日放送)が視聴者に衝撃を与えている。 番組が取り上げたのは、手取り16万円で働く児童相談所の職員や、学級担任を任される時給900円以下の非正規教員たちだ。その内容は、低処遇の“非正規公務員”たちが、私たちの生命や生活に密接に関わる責任の重い業務を担っている実態に迫るものであった。 今や市区町村で働く公務員の3人に1人が非正規であり、多くの自治体で住民サービスを担う基幹的労働力となっている。 しかし、低処遇の非正規公務員の比率が高まれば、自治体の機動力や対応力は低下する。災害など、いざというときに自治体が機能しない恐れもある。 非正規公務員が急増するなかで、教育、保育、医療、災害への対応、文化財の保全など、人々の生活や文化を支える公共サービスが危機に瀕しているのだ。彼らの待遇を改善し
今、小学生の一番好きな本は『かいけつゾロリ』でも『名探偵コナン』でもなく、学習マンガである。 学習マンガと言っても今の20代以上が読んでいたような『日本の歴史』『世界の歴史』ではない。 STEM(サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、数学)系の学習マンガである。 具体的に言うと男子は『科学漫画サバイバルシリーズ』(朝日新聞出版)、女子は『まんがでよくわかるシリーズ・ひみつ文庫』(学研)だ。 「学校図書館」2019年11月号に同年6月に全国学校図書館協議会と毎日新聞社により共同実施された第65回学校読書調査の結果が掲載されているが、このなかに「これまでに読んだ本の中でいちばん好きな本」に関する小中高生アンケートがある。 これを見ると男子は『サバイバルシリーズ』が99票獲得で2位の『名探偵コナン』62票、3位の『かいけつゾロリ』58票に大きく差を付けて1位、女子は『まんがでよくわかるシリ
今はなきvineで大関れいかと共に一世を風靡し、現在はYouTubeやインスタなどで活躍し、モデルをはじめ芸能活動も行うkemioが2019年4月に刊行した初の著書『ウチら棺桶まで永遠のランウェイ』が、早速2019年に実施された、全国学校図書館協議会による学校読書調査の「5月1か月に読んだ本」ランキングで高2女子の4位に入った。 というわけで、改めてこの本について紹介したい。 個人的には、 といった特異なワーディングセンス(本人いわく最後に読んだ本は『ぐりとぐら』というくらい読書はしていないそうだが)とkemioの独特の口調、そして圧倒的に前向きなバイブスが相まって、2019年最高の自己啓発書として読んだ。 彼より上の世代のネット有名人の一部はサロンビジネスやら何やらでファンのことをマネタイズ手段、金づるとして思っているふしがあるのに対して(それ自体が悪いとは言わないが、露骨すぎると引く)
2019年5月に実施された「学校読書調査」の結果が出た(「学校図書館」2019年11月号)。 「若者の本離れ」ということが80年代からたびたび叫ばれているが、小中高生の読書冊数や不読率(一冊も読まない人の率)は90年代後半にピークに達したものの、2000年代以降、冊数は増え、不読者は低下した。市場動向を見ても少子化に抗うように堅調である。現在では「若者の本離れ」はまったく事実に反する認識だ。 各年の学校読書調査より作成各年の学校読書調査より作成各年の『出版指標年報』(出版科学研究所)と総務省統計局人口推計を元に作成 ところが一方で、80年代から90年代にかけては「子どもが本(書籍)を読まないのは雑誌とマンガのせいだ」としばしば標的にされてきた雑誌は、90年代から読書冊数の減少と不読率上昇が止まらず、発行部数も減少の一途を辿っている。 各年の学校読書調査より各年の学校読書調査より作成各年の『
私は高校時代、3年間図書委員会だった。 司書になろうかな、と思った時期もあった。 大学時代は講義に出ていた時間よりも、図書館にいた時間の方が長かったと思う。 それが今では、中身が読めればディスプレイに表示された情報(電子書籍)で基本的にかまわないという人間になってしまったが、そんな人間に対しても「人類にとって書物とは何だったのか」を改めて気付かせてくれるのが香月美夜『本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~』である。 現代日本に生きていた本好きの女の子が異世界に転生する――熱を出して倒れたマインという少女の意識に入ってしまう。 「本好き」と言っても「活字が読みたい」にとどまらない。 彼女は物質・物体としての「本」が好きなのだ。 その世界の、彼女が転生した家庭レベルの生活水準では貴重品である本に飢えた彼女は、文字を覚えて読めるようにする。 だけでなく、異世界で和紙をつくり
かつて出版物はリアルの書店で購入するのがおおよその人にとっては唯一の購入ルートだったが、今ではコンビニやインターネット経由で調達することも当たり前の話となっている。また印刷物ではないが同じ本の類として、電子書籍のような電子出版物も世間一般に浸透しつつある。今回は日販による「出版物販売額の実態」最新版(2019年版)などの公開値を基に、インターネット経由とリアル書店経由における、広義の意味での出版物の購買額動向を確認する。 まずはインターネット経由とリアル書店経由それぞれにおける出版物購買額の定義を行う。 ■インターネット経由の出版物購買額: ・インターネット経由で取引された紙媒体出版物の購買額 ・電子出版(電子媒体の出版物。電子書籍、電子コミック、電子雑誌。学術ジャーナルは含まず)の購買額 ■リアル書店経由の出版物購買額: ・実店舗書店での紙媒体出版物の購買額 ・コンビニでの紙媒体出版物の
「出版不況」と呼ばれて久しいが、出版物を創生し市場に送り出す出版社と、その出版社による売上はどのような状況なのだろうか。その実情を日販による「出版物販売額の実態」最新版(2019年版)のデータを基に確認する。 最初は出版社総数と、それらの出版社全体の総売上高。 ↑ 出版社数と総売上高この17年間で総売上は5割強も減少。出版社数も漸減しているが、それ以上のペースで売上が落ちているのが分かる。後述しているように出版社は(他業界同様に)かなり企業規模・売上が少数大手に偏っているため、さほど大きな意味は無いのだが、一応参考までに1社あたりの平均売上高を算出すると、売上の減り具合があらためて認識できる。 ↑ 出版社1社あたりの平均売上高(億円)ただしこの4年ほどにおいては、底を打ったかのような動きをしているのが興味深い。 より有意義なのは次のグラフ。総売上高と企業数それぞれについて、前年比をグラフ化
↑ 図書館は知識の源であり憩いの場。利用者や貸出冊数は増えているのか否か。(写真:ペイレスイメージズ/アフロイメージマート) 頼り甲斐のある資料の泉、心身のいやしの場、知の集約拠点とさまざまな意義を持つ図書館。その図書館の利用状況を、文部科学省の定点調査「社会教育調査」(※)の公開資料を基に貸し出し冊数や利用者動向の観点からさぐる。 次に示すのは日本国内の図書館における登録者数と帯出者数。「登録者」とは貸し出しなどの各種サービスを利用するために図書館に登録をしている人、「帯出者」とは図書館外への本の借り受けを行った人で、延べ人数で数えられている。例えば2017年度では1億7790万人とあるので、延べ1億8000万人近くが図書館から本を借りたことになる。もちろん延べ人数なので、一人が1年間に10回借り受ければ、10人としてカウントされる。 ↑ 図書館の登録者数と帯出者数登録者数・帯出者数とも
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