タグ

ブックマーク / d.hatena.ne.jp/kenjiito (3)

  • 吉岡斉『原子力の社会史:その日本的展開』朝日選書、1999. - Cerebral secreta: 某科学史家の冒言録

    すこし前に読んで書評を書こうと思ったまま、しばらく時間がたってしまった。忘れないうちに、幾つか思いつく点を書いておく。 このは日の原子力の歴史に関しては最良の書だろうと思う。戦前からこのが書かれた時期までを手際よく通観しているだけでなく、大量の情報を扱いつつ、冷静になされたその社会的・政治的分析はお見事としかいいようがない。日の原子力の歴史に興味のある人は、とりあえずはこれから読むのが良いと思う。ただ問題は、第一に現在品切れ中で、かなり高値の古書としてしか入手できないこと。ただ、図書館で見ることはできるだろう。第二に、ドキュメンテーションがほとんどなく、出典が不明な論点が多いこと。これは学術書としては致命的だが、おそらく著者は、この後によりくわしい決定版を書く予定なのだろう。ぜひとも早く出ることを願う。 この後者の点を除けば、これは技術の社会史的な研究として、傑作であり、いろいろな

    trinh
    trinh 2011/05/28
  • ハーバード白熱教室は日本で可能か?(前編) - Cerebral secreta: 某科学史家の冒言録

    先週書いたエントリー、「『ハーバード白熱教室』の裏側』*1で、テレビで放映されたマイケル・サンデルの授業は、実際のハーバードの授業のうわべにすぎず、あの授業を含むハーバードの一般教養の授業には、多くのリーディング・アサインメントが課され、多数のTF(日でいうところのTA、ティーチング・アシスタント)が配置されて、少人数性のディスカッション・セクションが並行して行われ、ディスカッションや、ペ―パー、筆記試験によるきめ細かい指導と、成績評価がなされていることについて書いた。これに対する反響で多かったのは、日の大学ではあのような授業は可能かどうか、という事に関するものだった。とくに、日ではとても無理、という悲観的な反応が多かった。*2これに対して何らかのの形で答える必要があると思うので、日曜日の午後を利用して、一つエントリーを書いてみる。 『ハーバード白熱教室』は日で可能か?結論から書く

  • 『ハーバード白熱教室』の裏側:ハーバードの一般教養の授業をサンデルの講義を例にして説明してみる - Cerebral secreta: 某科学史家の冒言録

    ハーバード大学におけるマイケル・サンデル(Michael Sandel)の授業が、『ハーバード白熱教室』としてNHKで放映され*1、かなりの人気を集めて話題になっているようだ。これはすべて再放送を待つまでもなく、ウェブ上で観ることができる(ただし英語だが)。*2 ちょうどいいので、これを使って、ハーバードの学部向け一般教養の授業の作りを説明してみようと思う。色々誤解もあるようであるし、あの映像だけでは分からないこともある。 私自身は、サンデルの授業を履修したことはないのだが、大学院生のときに、一般教養の授業のTAやHead TAをかなりやったので(といってもサンデルの授業ではもちろんなく、私の専門の科学史やSTS関係の授業である)、ハーバードの一般教養の授業の仕組みはかなり分かっているほうだと思う。とくに、日人のハーバードの学部生というのがほとんどいないわけであるし、私が説明するのもまっ

  • 1