サハラ砂漠以南のアフリカからモロッコを経由してヨーロッパを目指す移民が地中海で命を落とすことは少なくない。溺死して身元の判別ができないほど腐敗した遺体を静かに土に還す「埋葬人」の仕事に米紙が迫った。 安置所に積み上げられた死体 ブバカール・ワン・ジャロ(32)は何ヵ月もの間、夜に電気を消して眠ることができなかった。モロッコから海を越えてヨーロッパへ渡ろうとして失敗した移民たちの叫び声が聞こえてくるからだ。 ワン・ジャロは移民たちをサポートするホットライン支援団体「AlarmPhone」で臨時のボランティアとして活動している。ホットラインにかかってくる電話はほとんどの場合、海上で嵐に巻き込まれ沈没しそうな船の上で絶望に悲鳴をあげる女性や子供たちからだ。 しかし、そうした電話よりも彼につらい悪夢をもたらすのは、モロッコ北部の地中海沿岸の街ナドールの海岸に打ち上げられる身元不明の何体もの水死体だ
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