白人支配に抵抗する黒人の象徴だったムガベは、白人の土地を奪って私物化する矛盾も演じた Philimon Bulawayo-REUTERS ・ジンバブエのムガベ前大統領は在任中「世界最悪の独裁者」とも呼ばれたが、そのきっかけは白人の土地を補償なしに徴収したことだった ・この問題は植民地時代に端を発するもので、補償なしの徴収はごく一握りの白人が土地の大半を所有するいびつな構造を暴いた ・その一方で、ムガベは意図的に人種を政治的に利用した点で、現代のポピュリストの先駆けともいえる ジンバブエのロバート・ムガベ前大統領の一生は、アフリカが抱える矛盾を体現したようなものだったといえる。ただし、彼が死亡したことで、アフリカの矛盾が解消されるわけではない。 「世界最悪の独裁者」の死 9月6日、アフリカ南部のジンバブエを37年間にわたって支配したムガベ前大統領が死亡した。アメリカなどで「世界最悪の独裁者」
![「世界最悪の独裁者」ムガベの死――アフリカの矛盾を体現したその一生](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/348fcaee9cffc6a8f940ae587b5e222e603850f7/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.newsweekjapan.jp%2Fmutsuji%2Fassets_c%2F2019%2F09%2FREUTERS190909_Mugabe-thumb-720x508-167665.jpg)