今にして思うと、最初の打ち合わせから話の辻褄が合っていなかったということです。高崎卓馬さんは、オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会のクリエイティブディレクターという審査を運営する立場であり、審査委員を兼任されていましたし、永井さんが五輪エンブレム審査に関して、審査委員の人選や応募資格のガイドラインといった審査の骨子について、有識者のひとりとして、様々な助言をされ、コンペの立案に深く関与されていたことは、組織委員会の担当者より聞いていますので、いち審査委員の責任の範疇ではない重責を負っておられたということなのでしょう。2015年9月28日の記者会見でも、永井さんと高崎さんの二人の連名で、8名のデザイナーに招待作家の依頼の手紙を送っていたという事実が組織委員会によって公表されました。その会見の直後に、週刊誌に掲載された実際の手紙の画像を見ましたが、そこには、「審査委員代表」の印字の下