女子受験生の点数を一律減点していた東京医科大への非難の核心には「公正さとは何か」という理念がある。これはアメリカで長年続いてきたアファーマティブ・アクションの運用をめぐる議論そのものである。 (1)入学選抜における「公平」をめぐる議論 今回の東京医科大の問題は、女性というだけで減点するという差別性や、制度の不透明性さ、さらには教育機関が社会的差別を追認してしまっているという点で様々な反発を生んでいる。 この問題の前提となるのは「大学入試選抜は公正であるべき」という強い理念である。「医師としては適切なのは男性」「女性だから落とす」という方針が受験生に開示されずに数年前から決められてしまっていたというのはあまりにも公正でない。 公正さをめぐって、長年論争が続いているのが、アメリカのアファーマティブ・アクションという制度である。 誤解のないように最初に指摘したいのが、そもそもこの制度は「特定の人
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