エイモス・チュツオーラ(1920-1997)はナイジェリアの作家であり、代表作「やり酒飲み」はアフリカ的マジックリアリズムとして世界各国で読まれている小説。今作「ブッシュ・オブ・ゴースト」は「やし酒飲み」の次に書かれた作品であり、アメリカのロックバンド「トーキング・ヘッズ」が今作品に感銘を受けて同じタイトルのCDアルバム「ブッシュ・オブ・ゴースト」を作っている、ということで知られている(僕はよく解らないんだけど、とりあえず影響力があったということを伝えたい)。今作は1990年代にちくま文庫で発刊されたものの、今は絶版。チュツオーラ作で一番有名な「やし酒飲み」は岩波文庫で発刊されているので気になる方はそこから入るのがいいのではないだろうか。 さて今作、冒頭が秀逸。遠くで銃声が聞こえたときに7歳の少年と兄はその音が面白くて踊りだしてしまう。しかし音が近くまで来た時になって、これはおかしいと気が
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