tsuccy1209のブックマーク (20)

  • エイモス・チュツオーラ「ブッシュ・オブ・ゴースト」 翻訳:橋本福夫 - 本棚のすき間でつかまえて

    エイモス・チュツオーラ(1920-1997)はナイジェリアの作家であり、代表作「やり酒飲み」はアフリカ的マジックリアリズムとして世界各国で読まれている小説。今作「ブッシュ・オブ・ゴースト」は「やし酒飲み」の次に書かれた作品であり、アメリカのロックバンド「トーキング・ヘッズ」が今作品に感銘を受けて同じタイトルのCDアルバム「ブッシュ・オブ・ゴースト」を作っている、ということで知られている(僕はよく解らないんだけど、とりあえず影響力があったということを伝えたい)。今作は1990年代にちくま文庫で発刊されたものの、今は絶版。チュツオーラ作で一番有名な「やし酒飲み」は岩波文庫で発刊されているので気になる方はそこから入るのがいいのではないだろうか。 さて今作、冒頭が秀逸。遠くで銃声が聞こえたときに7歳の少年と兄はその音が面白くて踊りだしてしまう。しかし音が近くまで来た時になって、これはおかしいと気が

    エイモス・チュツオーラ「ブッシュ・オブ・ゴースト」 翻訳:橋本福夫 - 本棚のすき間でつかまえて
  • 捨て鉢の飛翔―ナサニエル・ウエスト『いなごの日 / クール・ミリオン―ナサニエル・ウエスト傑作選―』 - 言葉でできた夢をみた。

    今回紹介するはこちら。 ナサニエル・ウエスト 著、柴田元幸 訳『いなごの日 / クール・ミリオン―ナサニエル・ウエスト傑作選―』(新潮社、2017年) いなごの日/クール・ミリオン: ナサニエル・ウエスト傑作選 (新潮文庫) 作者: ナサニエルウエスト,Nathanael West,柴田元幸 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/04/28 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 1930年代にアメリカで活動したナサニエル・ウエスト。あまり有名な作家というわけではなく、大戦後アメリカのブラックユーモア文学ブームの際に再評価されるまで長らく過小評価されていたらしい。私も今回初めて手に取った。主な作品に『バルソー・スネルの夢の生』『孤独な娘』『クール・ミリオン』『いなごの日』などがある。 今回紹介するにおさめられている作品は「いなごの日」「クール・ミリオン」と短篇の「ペテン

    捨て鉢の飛翔―ナサニエル・ウエスト『いなごの日 / クール・ミリオン―ナサニエル・ウエスト傑作選―』 - 言葉でできた夢をみた。
  • 「罪悪」に就いて - サラダ坊主日記

    何が悪なのか、何が罪なのか、その定義を厳密に見極めようと試みても、視界は一向に晴れようとしない。罪悪という言葉自体は充分に歴史的な手垢に塗れているように見えるが、その内訳は極めて多様で、様々な社会的条件に四方八方から制約されている。つまり、誰にとっても絶対的な「悪」であると認められ得る事案というものは、存在しないのだ。殺人や強姦や窃盗や放火や、そういった陰惨で人間性の「中核」を毀損するような行為さえ、それを殊更に好んで手を染めようと企てる人々が少なからず存在するという事実は、私の心を慄然とさせる。 例えば怨恨や情痴が殺害の理由ならば、未だ私の精神は辛うじて救われるのかも知れない。恨みに基づいて人を殺すという行為自体は嘔気を催すほど陰惨だが、そこには人間の感情に深く結び付いた「物語」の効果が介入している。その物語の効果が、良くも悪くも「感情移入」や「共感」の働きが関与してくることを許容するの

    「罪悪」に就いて - サラダ坊主日記
  • 古事記に纏わる副読本(kindle版) その2 - (推理小説・探偵小説)覚書

    古代神話を比較神話学的または民俗学的方法で読み解く 前回は古事記の物語をまず最初に簡単に掴む為にお奨めの書籍の覚書を書いたが、今回は古事記に登場する日の古代の神々とその神話の由来について一般向けに解説された書籍に関して覚書を残しておこうと思う。 『古事記』には200以上の神々と数多くの物語が収録されている。当たり前の話であるが、これらの神や物語が『古事記』に記された形や配列で古代から大和時代まで存在していた訳では無い。『古事記』が作成されるにあたって、巷に溢れていた神々やその神に纏わる逸話、そして、人々の語り継いで来た昔話の様な数々のお話が、『古事記』という壮大な物語の部品部品として使われたのである。実際にどのようにして様々な神話や伝承が、現在我々が知る形の『古事記』として編まれたのかを推測する為に様々な方法が存在するとは思うが、起源が同根とされる様々な世界各地の神話を比較するというの

    古事記に纏わる副読本(kindle版) その2 - (推理小説・探偵小説)覚書
  • 憑依? いつもと違う文体でお送りします、だって作者が否応なしにノリウツッテ来るんだもの。 - 言葉でできた夢をみた。

    気になっていた小説家の作品を、4月5月と縁がありようやく読む事ができた。 その小説家というのは笙野頼子という人で、名前くらいはうっすら聞いたことがあったが、実際にはなかなか読む事ができないでいた。で、どうして今年になって急に読み始めたかというと……? この国この社会? なんか最近様子がおかしくないですかね? 大きいメディアで報道されない何かが変な法律がある日突然「可決」されたりして「なになに? え? そんなの聞いてないんですけど?」みたいな謎の日々。そんな日々を送ってればそりゃあ文学で戦争を止めようとしている人がいるらしいと聞いたら、読んでみたくなるよね? 「戦争を止める?」いや、戦争まだ起きてないし起きるとも聞いてないんですけど? うーん、でも「戦争やりまーす」なんてテレビで宣言される頃にはもうけっこう人、死んでるんじゃない? もしかしたら今「戦前」なのかもしれない。いや、こんなことは全

    憑依? いつもと違う文体でお送りします、だって作者が否応なしにノリウツッテ来るんだもの。 - 言葉でできた夢をみた。
  • ソール・ベロー「犠牲者」 翻訳:大橋吉之輔 - 本棚のすき間でつかまえて

    ユダヤ人であるレヴィンサールは、ユダヤ人であるがゆえに世間から偏見を持たれていた。ジュー(ユダヤ人=ジューイッシュの略)と呼ばれ、怒りっぽい、傷つけられると復讐する、金にうるさい、と世間から思われていた。時々「ジューのくせに」と理由もなく揶揄されることがあり、ユダヤ人であるがために何かとおかしな目で見られることがあるとレヴィンサールは感じていた。 業界紙の編集として活躍するレヴィンサール。彼は下積みを重ね、これまでに実績を上げてきたこともあり、会社からはいなくてはならない存在として認められている。今現在籍をおいている会社は規模からいって望み通りというわけではない――、しかしその昔、職探しに苦労した記憶があるレヴィンサール――、彼は野心や向上心を持ちながらも、現状にはそれなりの満足を覚えていた。 ある時にレヴィンサールに浮浪者風の男が語りかけてきた。それは昔の知人のオールビーという男だった。

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  • アリス・ウォーカー「カラーパープル」 翻訳:柳沢由美子 - 本棚のすき間でつかまえて

    話題になることには、どんな意味があるのか? 黒人女性初のピュリッツァー受賞作品――、そのニュースがアメリカを駆け回った時に著者であるウォーカーは言っている。「黒人であること、女性であることに話題性が生まれる意味は何なのか?」と。 というのも今作で描いているのは1900年代前半の黒人女性について。この時期、差別のヒエラルキーでは相当下に位置していた黒人女性を描いた話であり、内容はもちろん差別を問うものになっている。栄誉ある賞を受賞したのが黒人女性――、そこに話題性が生まれるということは「あいかわらず……」とウォーカーは言いたかったのでしょう。今作が描かれたのは1983年なので世間の空気は現在とは違います。 というか……、周りに日人しかいない環境で暮らしている僕にとっては黒人に対する差別がどういうもので、どう変化を遂げていったのかの詳しいところは解りません(知っているのは映画の内容程度)

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  • 世界と日本の文学の今、どう映る 沼野充義氏に聞く 異なる文明 翻訳がつなぐ - 日本経済新聞

    国内外の作家らと対話する連続講義に取り組んできたスラブ文学者の沼野充義氏。古今東西の作品を縦横に論じてきた同氏の目に、世界と日の文学の今はどう映っているのか聞いた。 ◇   ◇   ◇講義は2009年に始めた。世界の視点から文学を考えたいと思い、リービ英雄さんや小野正嗣さん、綿矢りささんといった作家だけでなく、文学研究者や翻訳家も招いて様々な議論をした。そのさなかに東日大震災が起きた。文

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  • 古事記に纏わる副読本(kindle版) その1 - (推理小説・探偵小説)覚書

    古事記の物語を大まかに掴む為の 最近、池澤夏樹・現代語訳の『古事記』を読むに当たって何冊かの古事記関連の書籍を読んだ。いずれも中々面白い処のあるだったので、覚書をしておく。 まず、ここで紹介する古事記関連書籍は全てkindle版のものである。電子書籍に限定しなければ、より多くの参考書籍が存在するのだろうし、例えば西郷信綱の著した書籍は間違いなく必読の書なのだろうが、残念ながらkindle版は存在しなかった。各出版社が早く電子書籍化に踏み切ってくれる事を切に願うのだが、まあ現状無いモノは仕方が無い。と言う訳で、私の個人的事情からkindleで読めるものだけを読んだ。居宣長の注釈書は一応kindleで読める様なのだが、私の怠惰の為に未読である。 結局、手頃な新書を中心に10冊程読んだのだが、読んだ中では取り敢えず、こうの史代の『ぼおるぺん古事記』は非常にお奨めだと思った。古事記を読んだ事

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  • 名翻訳家・柴田元幸が超いい仕事してる小説おすすめ12冊+αを読もう - きゃすのキラキラブログ

    はじめに:翻訳界のスーパースター柴田元幸 私が最も敬愛する翻訳家で、ご存知の方も多いでしょう。日の翻訳・文学界で最も有名な翻訳家の一人です。大先生です。 ポール・オースター、チャールズ・ブコウスキー、スティーヴ・エリクソン、スティーヴン・ミルハウザー、レベッカ・ブラウンなど現代アメリカ文学・ポストモダン文学の翻訳をはじめ、マイク・トウェインやトマス・ピンチョン、アーネスト・ヘミングウェイ、J・D・サリンジャーなど巨匠の翻訳も多く行っています。 翻訳界のスーパースターと言って良いでしょう。 知らない人のために略歴をwikiから↓↓ 日アメリカ文学研究者、翻訳家。東京大学名誉教授。東京都大田区出身。 ポール・オースター、チャールズ・ブコウスキー、スティーヴ・エリクソン、スティーヴン・ミルハウザー、リチャード・パワーズなど現代アメリカ文学、特にポストモダン文学の翻訳を数多く行っている。彼の

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  • コ―マック・マッカーシー「チャイルド・オブ・ゴッド」 翻訳:黒原敏行 - 本棚のすき間でつかまえて

    文学的に美しく描かれる殺人 今作は1960年代にアメリカで実際に起きた連続殺人事件をモチーフにした作品です。この手の事実を元にした小説はいろいろあると思いますが、僕が読んだ作品のなかでパッと思いだせるのはトゥルーマン・カポーティの「冷血」。マイケル・ギルモアの「心臓を貫かれて」あたり。ちなみにこの2作は徹底した取材によって作りあげられたノンフィクション・ノベル(ちなみに「心臓を貫かれて」に関しては殺人者である兄を実の弟が描くというもの)――、なのでドキュメントタッチであり、真実に則して描こうとする意図を強く感じる作品だったけれども、今作「チャイルド・オブ・ゴッド」は、どちらかというと著者の創作の面が強いと思う。というのも描写がとても文学的、かつ美しい。非道な殺人者を描くのだからこそ、人間の根底にある衝動を描こうとする――、おぞましい殺人を「成せる」ことの意味は人間を創造した者の意志であるこ

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  • 『夏の朝の成層圏』 池澤夏樹 - (推理小説・探偵小説)覚書

    近代社会からの漂流 最近、池澤夏樹の現代語訳『古事記』を読んでいる。前々から池澤夏樹=個人編集の日文学全集を読みたいと思っていたのであるが、遂に電子書籍化が始まったのである。『古事記』の前書きの、池澤夏樹の語り口は優しく、柔らかく、文学への愛に満ち溢れている。ああ、この人の文章は心地良いなと感じながら、そう言えば今まで池澤夏樹の書いた小説は読んだ事が無かったな、と言う訳で、処女小説『夏の朝の成層圏』を読んでみた。 この『夏の朝の成層圏』は様々な要素が淡い彩りで混淆した不思議な小説である。印象に残った要素を覚書しておこうと思う。 漂流物と云うのはある種の異世界訪問譚である。この小説ではその異世界が、天国を思わせる南の島となっている。お話の設定ではマーシャル諸島の辺り、環礁が作る美しい熱帯の楽園といった趣、ビキニ環礁もこのマーシャル諸島の一環礁である。熱帯の島々には自然の熱量がある、文明の齎

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  • 「小説」と「人事」 - サラダ坊主日記

    どうもこんばんは、サラダ坊主です。 偶には趣向と気分を変えて、敬体の文章で記事を書いてみたいと思います。 特に深い意味はありません。単なる気分の揺らぎの問題です。 気持ちとしては、演壇に登って一席弁じているような感覚です。 御覧の通り、「小説と人事」という表題を掲げて、この記事を書き起こした訳ですが、この場合の「人事」という言葉は、企業などの法人で一般的に用いられる狭義の「人事」を指すのではなく、もっと広範な領域を、曖昧且つ多義的に指していると捉えて頂きたいと思います。 小説というジャンルは、所謂「文学」のサブカテゴリーとして位置付けられ、詩歌や戯曲などよりも需要の大きい様式として幅広く世間に流通している訳ですが、そこには何となく歴史的に培われてきた暗黙の規律のようなものがあります。しかし、多くの作家や読者が繰り返し訴えてきたように、原則として小説は無際限に自由なジャンルです。何となく培わ

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  • “Through the Language Glass: Why the World Looks Different in Other Languages” Guy Deutscher (『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』 ガイ・ドイッチャー) - (推理小説・探偵小説)覚書

    言語を通して、我々は世界を見ている 最近、英語の語彙を増やすためと長文を読む体力を付けるために英語の書籍を読むようにしている。推理探偵小説は興味が先行するので英文でも非常に読み易くて既に何冊か読む事に成功したが、ここで友人に薦められた色の認知と言葉に関連する書籍、“Through the Language Glass”(2010年)を読んでみた。 薦められた切欠なのだが、どういう訳か色の認識が、国に依ってまた時代に依って異なるという話をしている時に、そう言えばホメロスは地中海を葡萄酒色だと言っていたという話になってこのを薦められたのは覚えている。どうしてそういう会話になったか?の方が恐らく重要な情報だったような気がするのだが、もう覚えていない。 ホメロスのワイン色の地中海の逸話は非常に有名で、例えば北杜夫の『どくとるマンボウ航海記』にこういうお話が出て来る。 パリで友人のTと会ったとき、

    “Through the Language Glass: Why the World Looks Different in Other Languages” Guy Deutscher (『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』 ガイ・ドイッチャー) - (推理小説・探偵小説)覚書
  • HONZメンバー推薦! 人生で一番影響を受けた本 - HONZ

    春の合宿を行った際、今までで一番影響を受けたを紹介せよ!という命令が成毛眞より下った。下は大学生から上は還暦オーバー組まで、「が好き」なのは変わらないが、幼いころから好きだった人、大人になって目覚めた人など、ひとそれぞれ。 ♬育ってきた環境が違うから~♪というわけで、かなり個性的で興味深いラインナップになった。絶版も多いけど、今の時代、図書館や古屋さんでだいたい見つかります。新生活での読書ガイドとしてご利用ください。 ◆成毛眞

    HONZメンバー推薦! 人生で一番影響を受けた本 - HONZ
  • “The ‘Canary’ Murder Case” S. S. Van Dine (『カナリヤ殺人事件』 S・S・ヴァン・ダイン) - (推理小説・探偵小説)覚書

    誰もがみんな嘘吐き野郎 最近、江戸川乱歩の『悪人志願』を読んでいる。江戸川乱歩の随筆集というものは非常に面白くて、失礼ながら、氏のイマイチぱっとしない作よりも随分面白い。自作解説から様々な推理探偵小説界の雑感、日の推理探偵小説同人の逸話、等、読み所が満載である。しかし、一つだけ非常に読んでいて困る処がある。それは何かというと、以前『幻影城』を読んでいた時にも経験したのであるが、乱歩先生は容赦なくネタバレを書き記すのである。ちょっとネタバレだとか仄めかすとかいう程度ではなく、しっかりと解説してしまう。これは中々困った話であって、その対象の作品が、既に読んでいるものであればまあ良いのだけれども、未読の作品であれば、読者としては非常な窮地に立たされる。親切な事に、『悪人志願』ではそれぞれの随筆やら作品解説らの初頭に「ネタバレ危険」の注意書きがある。それの御蔭で読者は難を逃れる事が可能になるので

    “The ‘Canary’ Murder Case” S. S. Van Dine (『カナリヤ殺人事件』 S・S・ヴァン・ダイン) - (推理小説・探偵小説)覚書
  • 基本読書

    2024-04-18 物理学・生物学的に考えた時、地球外生命体はどのような機能を持っているのか──『まじめにエイリアンの姿を想像してみた』 SF 科学ノンフィクション まじめにエイリアンの姿を想像してみた作者:アリク カーシェンバウム柏書房Amazonこの『まじめにエイリアンの姿を想像してみた』は、書名だけみると小学生ぐらいの夏休みの自由研究みたいだが、実際は動物学者の著者が、生物学、物理学など科学の知識を総動… 2024-04-12 なぜ言論の自由は前進と後退を繰り返すのか──『ソクラテスからSNS: 「言論の自由」全史』 献御礼 歴史 オススメ! ソクラテスからSNS 「言論の自由」全史作者:ヤコブ ムシャンガマ早川書房Amazonこの『ソクラテスからSNS』は、紀元前の古代アテナイの時代からはじまって、インターネット時代である21世紀の現代に至るまで、世界中の「言論の自由」をめぐる

    基本読書
    tsuccy1209
    tsuccy1209 2017/03/30
    科学系から小説までいろいろな書評
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    なぜ自分が自分の形を留めていられるかというと、自分を知る誰かがいるから。 誰も自分を知らない場所へ旅するのもいい。そもそも誰一人いない場所を旅するのもいい。だが、いつかは放浪をやめてこの世界のどこかに落ち着かなければならない。さもないと人という存在と疎遠になり最後には自分自身にとってさえ他人になってしまう。 誰かを撮った写真は、近しい人間の心のなかでしか価値を持たないのと同じように、人の心も別の人間の心の中でしか価値を持たず、その人の思い出は、思い出したときにのみ存在するだけであって、思い出す人がいなくなれば、消え去るほかない。 人生は思い出だ、そして思い出が消えれば無になる。だから人は思い出を物語ろうとする―――コーマック・マッカーシーの『越境』を読んでいる間、そんな声が通底音のようにずっと響いていた。 マッカーシーの代表作ともいえる国境三部作(ボーダー・トリロジー)の第二作がこれだ。第

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    tsuccy1209
    tsuccy1209 2017/03/30
    ためになる書評
  • ボブ・ディランに負けない傑作ぞろい!2016年の海外小説ベスト12(鴻巣 友季子) @gendai_biz

    ボブ・ディランに負けない傑作ぞろい!2016年の海外小説ベスト12 年末年始にじっくり読みたいオススメ 今年もやってまいりました、年末ジャンボベスト「海外小説編」。 今年、世界文学の事件といえば、ノーベル文学賞を、アメリカ文学界を代表してボブ・ディランが受賞したことは挙げてもいいでしょう。 発表後しばらく連絡がとれず、「受賞辞退」または「授賞スルー」なのかと思いきや、「たいへん光栄。授賞式には行けたら行くね」とコメント。ところが、実際には、お友だちのパティ・スミスを代理出席させて歌を披露させ、スピーチも代読という、前代未聞の展開となりました。 まあ、海外文学好きとしては、ドン・デリーロとか、コーマック・マッカーシーなどが受賞した方が、日陰ものの翻訳文学にも少しは光が当たって良かったかなー、とは思いますけれども、文学の閉塞状況を打ち破る慶事でありましょう。 一方、長年同賞の候補と言われたウ

    ボブ・ディランに負けない傑作ぞろい!2016年の海外小説ベスト12(鴻巣 友季子) @gendai_biz
    tsuccy1209
    tsuccy1209 2017/03/27
    参考にしたい。
  • 僕にブコウスキーは口説けない|ちくま文庫|佐渡島 庸平|webちくま

    大好評『パルプ』に続くちくま文庫第2弾は、伝説的カルト作家の笑えて切ないヨーロッパ旅行記!『宇宙兄弟』『ドラゴン桜』『バガボンド』等、数々のヒット作を手掛けた編集者・佐渡島庸平さんは実は学生時代からブコウスキーの大ファン。ブコウスキーへの熱くて切ない想いを、編集者の視点から書いていただきました。ぜひ、ご一読ください。 編集者をしていると「作家と付き合うのって、大変じゃないですか?」とよく質問される。多くの人は作家が気難しいと思っている。そう、それは間違いではない。ブコウスキーの作品を一ページ読めば、この人と一緒に生活するのはかなり大変だと全員が賛同してくれると思う。 作家は自分の欲望に忠実に振る舞うから、確かに一般的な人と比べると、常識的ではない反応をする。しかし、編集者からすると、作家はとても付き合いやすい。なぜなら、どう付き合えばいいのか、作品の中で告白してくれているからだ。自分はどん

    僕にブコウスキーは口説けない|ちくま文庫|佐渡島 庸平|webちくま
    tsuccy1209
    tsuccy1209 2017/03/26
    未読のブコウスキー作品。
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