この記事では超越数論の古典的大定理であるBakerの定理の証明をBakerの本*1に書いてある通りに紹介します*2。 Bakerの定理 (1966) をでない代数的数とする。このとき、が上一次独立であれば、は上一次独立である。 ここで、個あるについて任意の枝で成立し、それぞれの枝の選択が一致している必要はありません。Bakerの定理から超越数を山のように得ることが出来ますが、それについては integers.hatenablog.com をご覧ください。 証明は背理法によります。主張が成り立たないと仮定すると、Siegelの補題によって魔法のような関数を作ることが出来てしまい、その魔法関数によって矛盾が生じてしまうという感じの証明です。 設定と準備 背理法の仮定: Bakerの定理の主張を背理法で証明する。すなわち、をでない代数的数とし、が上一次独立であるときに、少なくとも一つはではない代
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