オバマ政権が二期目に入り、新しく就任したケリー国務長官のもとで、中東和平交渉が新たな動きを見せ始めた。2013年の春以降、頻繁にイスラエル、パレスチナ双方の政治指導者の間を訪問したケリーのシャトル外交は、7月29日、ワシントンでのツィピ・リヴニ法相(イスラエル側代表)とサーエブ・エリーカート交渉担当(パレスチナ側代表)の対話という形で結実した。実に3年ぶりの和平交渉の再開ということで、この動きは国際的にも大々的に報道された。 これに続く第二回目の会合は8月14日、エルサレムで開催されたが、うってかわって低姿勢なものだった。その席にアメリカ代表の姿はなく、会合の開催自体も秘密裏におこなわれた。パレスチナ側、イスラエル側はそれぞれ2名のみが参加し、アメリカの中東和平特使マーティン・インディクにも交渉内容は後で伝えられるとの慎重ぶりであった。同じ日にエジプトではムルシー支持派デモ隊テントの強制撤
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