美学における「崇高」という概念についてまとめられた本。 崇高とは、何か超越的な気高いものを指しているというわけではなく、むしろ山とか石とか地面とかいったものを徹底的に凝視することで感じられる感性的な価値である、というのがざっくりしたまとめ。 第1章と第2章は、バーク以前、バーク、カントまでの崇高という概念の歴史。 第3章は、大地への凝視という美学として、ジンメル、ラスキン、そして日本の近代登山に見られた美学思想。 第4章は、テクノロジーと崇高の関係として、アメリカ的崇高とヒロシマの「アート化」について。 序論 石ころへのオマージュ 石を美的に見ることについて 第1章 「崇高」とは何か まず語源。漢字の崇高と、英語のsublimeそれぞれの語源の確認から。 バーク以前の崇高。まずは偽ロンギノスの崇高論。これは修辞的文体についての議論。その後長いこと忘れ去られ、17世紀に英語、フランス語に翻訳
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