98.10.22 「ようやっと」を尋ねて 前回「気づかずに使っている方言」のことを書きましたが、ある人から「あなたは『ようやっと』ということばを使っているが、それは西の方言ではないのか」という指摘をうけました。 何だって?! そ、そうとは思わなかったけれど……。 指摘されてみると、たしかに自分で書いた文章などには、 ようやっと、万葉語彙の原稿を書きはじめる。午後ずっとかかり、原稿用紙三、四枚である。(1991年) ピアノは、腕前が拙劣なので何度も失敗した末、ようやっと一定水準以上のものが出来、満足して何度も聴く。(1992年) このところ、斯く学問以外の雑務で苦しんでいたが、ようやっと区切りが付いた。(1993年) などのように続々と出てきますから、まあ僕の愛用語なのかもしれません。 「ようやっと」というのは、「ようやく」ということで、たいていの辞書には載っています。『日本国語大辞典』によ