ボラは70-80年代のロックアイコンだった。デヴィッド・ボウイやデュランデュランでおなじみの襟足を長く伸ばしたあの髪型は「Mullet Hair」といい、Mulletとはボラのことだ。 流行るにつれて、襟足以外はより短髪に、サイドを刈り上げたりと先鋭化していったが90年代に入ると一転、ビースティー・ボーイズが『Mullet Head』でバカにしたようにダサい髪型の代名詞になった。 髪型とボラは他にも縁がある。江戸時代の魚河岸の若い衆が髷を横に寄せて結ったものを、ボラの若魚であるイナの背ビレに似ていることから『鯔背銀杏(いなせいちょう)』と呼ぶ。どこがイナの背ビレなのかあまり理解はできないけれど、この髪型が由来で彼らの威勢のよい気風を「いなせだね」というようになり、粋であることを意味する言葉「いなせ」として今も残っている。 ホドロフスキー『サンタ・サングレ』で冒頭、精神病院に入れられているフ
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