人工多能性幹細胞(iPS細胞)などを従来に比べ低コストで簡単に培養する方法を開発したと、京都大の末盛博文准教授らの研究グループが発表した。iPS細胞などを使った創薬研究や治療には細胞の大量生産が必要で、新たな方法の貢献が期待される。論文は30日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。 人のiPS細胞や胚性幹細胞(ES細胞)を増やすには、培養容器と細胞の接着性を高め、生存性を向上させる処理が必要になる。研究グループは、培養液にたんぱく質「ラミニン511」の溶液を加えるだけで、これまでと同等の効果があることを発見した。 研究グループは、今回発見した方法を活用すれば、将来iPS細胞から臓器を作る際に、大幅なコスト削減が可能とみている。