日直のボウシータです。しつこく「理解」の話をしています。 前々回のタイトルは「「わかる」は脳に気持ちいい。問題はそのあとだ。」というものだった。 一昨年あたり、ビジネス書のベストセラーの書名にはやたら「脳」の字がついていたことがある。こういう世の中だと「脳に気持ちいいイコール無条件に良いこと」という風潮も出てきそうだ。その考えかたを、私はそんなに支持できない。 脳に気持ちいいこと、というのには気持ちいい理由がある。脳障害を専門とする医師・山鳥重(あつし)が言うように、この気持ちよさは私たち人間の生物としての生存プログラムに根ざしている。 われわれは何にでも意味を見つけたがります。どんなものでも意味がなくては落ち着きません。意味とは、とりもなおさず、わからないものをわかるようにする働きです。〔…〕意味がわからないままではわれわれの心は落ち着きません。それが生物としての自然な傾向なのです。 〔