珠玉の人生 世界の匠になった義理人情の人(その1) 岡野工業代表社員・岡野雅行 ソニーとの決別 [1/2] 2007年3月11日(日)09:00 岡野雅行さんは、いまや日本を代表する、世界の有名人である。 なんといっても、NASA(米航空宇宙局)から直接仕事を依頼されることもあれば、米国防総省と共同で、レーザー反射鏡用のパラボラアンテナを開発したこともある。原子力発電所の、冷却用パイプの改良に成功したのも岡野さんである。それも、わずか6人の従業員しかいない町工場から、世界に向けて発信された、精巧な製品である。 岡野 雅行(おかの・まさゆき)氏 1933年東京都墨田区生まれ。72年に父親が創業した岡野金型製作所を継ぎ、岡野工業と社名を改める。「痛くない注射針」「リチウムイオン電池ケース」などを開発し、世界中の注目を浴びる。町工場にこだわり、自らを「代表社員」と名乗る そう書くと、なにやら国