ミステリー作家辻村深月(みづき)さんの小説のドラマ化を巡り、撮影開始直前になってドラマ化の許諾を白紙撤回されたため、制作の中止を余儀なくされたとして、NHKは21日、出版元の講談社を相手取り、準備にかかった費用など計約6000万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。 訴状によると、NHKは昨年11月、直木賞候補にもなった「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」のドラマ化の許諾を同社から口頭で受けたが、脚本内容について辻村さんとの調整がつかず、今年2月に許諾を撤回されたとしている。 NHK側は「口頭での合意が正式契約であることは、業界での慣習。講談社はドラマ完成のための努力を放棄した」と主張。講談社広報室は「原作改変が著者の意向に反していたため、合意に至らなかった」とコメントした。