オリンパスはソニーから約500億円の出資を受け入れる方針を固め、最終調整に入る。7月中の合意を目指し、損失隠しで悪化した自己資本の早期回復を目指す。ソニーは発行済み株式の1割強を保有する筆頭株主となる見通し。オリンパスが強みとする内視鏡を中心とした医療機器分野などでの事業協力を進める。オリンパスは過去の証券投資の損失を決算に反映した結果、財務の健全性を示す自己資本比率が大幅に低下した。2012
【ロンドン=中沢謙介】オリンパスの損失隠し疑惑を指摘して同社の社長を解任されたマイケル・ウッドフォード氏が「解任は不当だ」として同社を訴えた裁判について、オリンパスがウッドフォード氏に1000万ポンド(約12億4500万円)を支払うことで和解する見通しになったことが28日、分かった。 ウッドフォード氏は同社の損失隠し疑惑を指摘し、昨年10月に解任された。関係者によると、ウッドフォード氏が本来受け取れるはずだった約3年半の報酬をオリンパスが支払う方向で調整している。 オリンパスは「訴訟はまだ最終段階に至っていないため、現時点ではコメントは差し控えたい」(広報)としている。
印刷 ウッドフォード氏 10月14日に解任されたマイケル・ウッドフォード元社長は、会社側の発表を受けてロンドンで朝日新聞の電話取材に答え、「支出の不自然さはこれまでも指摘してきたので、驚きはない。驚いているのは、高山修一社長が(会見で)『これまで知らなかった』と話していることだ」と語った。 問題の支出について、独自に会計事務所に依頼をして調査をしたウッドフォード氏は「このような額の支払いについて疑問も感じないようであれば、取締役としての能力もないが、今の取締役は会計事務所の報告書を見ようともせず、私の解任に賛成した」と批判。「全員が信頼をなくしており、それでもとどまることに世界が愕然(がくぜん)とするだろう」と話した。 また、自身の復帰については「企業は株主の物であり、株主が望むのであれば、復帰をする。だが、現段階では従業員の生活を含めた、企業の保護が最優先だ」と述べた。 朝日新聞デ
オリンパスは8日、第三者委員会の調査で1990年代頃から有価証券投資などの損失計上を先送りしていたことが判明したと発表した。 午後0時半から高山修一社長が記者会見する。 オリンパスによると、英医療機器メーカー「ジャイラス」買収時にフィナンシャル・アドバイザー(FA)に支払った報酬や、2006~08年に行った国内3社の買収資金は、複数のファンドを通すなどの方法で、こうした投資有価証券の含み損を解消するために利用していたとしている。 オリンパスを巡っては、FAの報酬や3社の買収額については大株主などから不当に高いとの指摘が出されていた。このため、今月1日、過去の企業買収案件で不正行為や妥当性を欠く経営判断がなかったかを調査する弁護士らの第三者委員会を設置していた。
オリンパスが過去の企業買収に伴って支払った巨額の報酬が問題だと指摘し、社長を解職されたマイケル・ウッドフォード氏は8日未明(日本時間同日朝)、読売新聞の電話取材に応じ、「非常にショックだ」としながら、「なぜ巨額な支払いがなされたのかという私の疑問が正しかったことが示された」と述べた。 さらに、企業買収を巡る巨額報酬を巡る不正は「明らかに会社に対する信用を裏切る行為で、菊川剛前社長、高山修一社長は過去に行われたことのすべてを明確にすべきだ」と述べた。(ロンドン 中沢謙介)
「以前の説明と異なる事実が判明しました」――。 オリンパスの企業買収を巡る巨額支出問題は8日、同社が有価証券の含み損を解消するために損失計上を先送りしていたと発表し、高山修一社長(61)が陳謝。財務担当の森久志副社長(54)が解任される異例の事態に発展した。高山社長は、先月下旬の記者会見で取引の正当性を強調したばかりで、わずか12日後に説明を全面的に翻した。刑事事件に発展する可能性を指摘する識者もおり、世界的精密機器メーカーの屋台骨は大きく揺らいでいる。 高山社長は同日午後0時半から、東京・新宿のホテルで記者会見。海外メディアも含む約130人の報道陣を前に、冒頭、「一連の問題は、過去の損失計上を先送りしたことによるものと判明した。大変申し訳ございません」とうっすらと涙を浮かべながら謝罪した。 高山社長によると、前日の7日夕、森副社長から突然、損失先送りの事実について説明を受けたという。森副
CEO兼任からわずか2週間後に解任されたマイケル・ウッドフォード氏。オリンパスの外国人社長としてマスコミの注目を浴びた。だが、就任からわずか数カ月後に、過去の買収案件に「巨額損失がある」と追及して、会長など他の経営陣と対立を深めていった。彼が語る生々しいやりとり。そこに、解任劇の真相があった。「このまま問題を放置すれば、日本経済は悪化の一途をたどる」。 (聞き手は石黒 千賀子=日経ビジネス副編集長) 10月20日午前11時30分。英ロンドン中心街のホテルで、オリンパス前社長のマイケル・ウッドフォード氏の到着を待っていた。2日前、彼から「取材を受ける」というメールが届いた。電話で連絡を取ると、興奮した声でこうまくし立てた。 「身の危険を感じているから、とにかく詳しく話をして真実を世に広めたい。電話より会ってじっくり話したい」 そこで、飛行機に飛び乗って、ホテルの一室で待った。約束の時間から3
デジタルカメラをはじめとする映像事業の立て直しを急ぐオリンパスが4月、大胆なトップ人事に打って出た。収益を支える内視鏡など医療事業分野を中心に歩んできた英国人のマイケル・ウッドフォード氏を欧州事業統括会社のトップから日本本社の社長に抜擢したのだ。聖域なき事業構造改革に乗り出したウッドフォード氏は同時に、調和とコンセンサスを重んじるあまり他者との衝突を避ける日本人の働き方を大きく変革したいと考えている。 (聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集長 麻生祐司) ――社長に抜擢された理由をどう自己分析するか。 マイケル・ウッドフォード (Michael Woodford) 1981年、オリンパスの英国グループ会社キーメッドに医療機器の営業マンとして入社。29歳でキーメッドの代表取締役に就任。2001年オリンパス インダストリアル アメリカのビジネス統括担当。04年オリンパスメディカルシステムズ(東
プライスウォーターハウスクーパースの調査報告書を手にオリンパスの不明朗支出を告発するマイケル・ウッドフォード前社長(木村正人撮影) 【ロンドン=木村正人】オリンパスに解任されたマイケル・ウッドフォード前社長(51)が20日、産経新聞と単独会見し、同社の企業買収をめぐる不明朗な支出について「組織的な犯罪だ」と告発した。「同社の菊川剛会長は会社や国を売っているのと同じだ。こんな不正を見逃していると日本に海外の資本は来なくなる」と疑惑の徹底解明を求めた。 英国人の同前社長は4月にオリンパス欧州法人社長から本社社長に抜擢(ばつてき)されたが、14日の取締役会で解任された。 「30年間オリンパスで勤め、保守的で良い会社だと信じてきた」という同前社長だが、今年7月に月刊誌が同社の企業買収をめぐる疑惑を報じたため、菊川会長らに照会すると「何も心配要らない。タブロイド誌特有のセンセーショナリズムだ」とし、
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