展覧会場に置かれている作家の直筆の手紙やスケッチ、当時のパンフレットやチラシ。以前は、展覧会場の終盤に、興味のある方だけご覧ください、とでもいうかのようにひっそりと置いてあったものが、いまでは作品と同じ並びで展示されていることがある。アーカイブや二次資料と呼ばれるそれらから、私たちは作品からだけでは得られない面白さや新たな発見を得る。この春、リニュアール・オープンした美術館のコレクション展で、そんな展示をご覧になった方も多いと思う。美術館の図書館司書として二次資料の収集・整理・保存・公開などに関わってきた鏑木あづさ氏に、展覧会のなかの資料展示についてご寄稿いただいた。(artscape編集部) 「百年の編み手たち─流動する日本の近現代美術─」展 展示風景 [Photo: Eiji Ina] 展示室に入ると、まずは『月映(つくはえ)』(1914-15)があった。版画家・恩地孝四郎(1891-
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