沖田信悦『植民地時代の古本屋たち―樺太・朝鮮・台湾・満洲・中華民国 空白の庶民史』(寿郎社、2008)を読んだ。 植民地時代の古本屋たち―樺太・朝鮮・台湾・満洲・中華民国 空白の庶民史posted with amazlet at 13.12.18沖田 信悦 寿郎社 売り上げランキング: 244,201 Amazon.co.jpで詳細を見る 日本の植民地だった地域のどういう都市にどういう日系古書店が出店していて、どういう取引をしていたのかをひたすら追った労作。著者は学者ではなく古書店主で、アカデミックな分析はないのだが、コネを使ったり古書店業者お得意の資料アクセス技術を使ったりしていろいろな一次史料を探し出してくるあたりはふつうの研究書とはまた違った味わいがあって面白い。地図や表などを使ってどこに何という店が出店していたのか、詳しく解説してくれている。 面白いのは植民地の古書商売というのがけ