昨年秋、『ホラホラ、これが僕の骨 中原中也ベスト詩集』という本を出版しました。すでに著作権の切れている中也の作品は、ネットで無料で読めますし、すべての詩が収録された文庫本もあります。そこをあえて出版するからには、「モノ」としての良さが必要だと考えました。 一緒に知恵を絞っていただいたのは、デザイナーの佐藤好彦さんと、製本会社、篠原紙工の篠原慶丞さん。おふたりの力で、ちょっと不思議な本ができあがりました。 パッと見てまず目を引くのは、断面です。普通の本の断面はまっすぐですが、この本は断面がギザギザになっているのです。書店から「断面がボサボサですけど、これはこういうつくりなのですか?」と、何件も問い合わせがありました。その「ボサボサ断面」、製本会社で手間暇かけて仕上げてもらっています。触り心地がとても柔らかく、「手触りのよさにハマった」という感想も寄せられているほどです。 【参考】製本方法のご