こんにちは。 文学通信の松尾と申します。 前回、文学通信が版元日誌に登場したのは2019年。ちょうど文学通信の引っ越し前でした(「出版社の引っ越し」)。 この引っ越しから、さらにもう一度移転し、今は東京都北区東十条におります。先日、会社の前に大切なものが入ったままのリュックサックが落ちていて、よくよく思い返せば、2か月程前に読みかけであろう文庫本がポツンと忘れられていたのも、ほぼ同じ場所でした。東十条の忘れ物が集まってきている気がしなくもありません。 私はこの二度の引っ越しを知らず、文学通信に入社したのは1年前、東十条移転後です。その前は店で本を売る人、「書店員」をしておりました。 コロナ禍の約半年間は非正規雇用の書店員で、朝から夕方まではオフィス街にあるチェーン書店の人文書棚を担当し、夕方から翌朝まで、夜勤で病院の救急外来の受付を掛け持ちしていました。週5勤務の非正規では食べていけず、夜