日本学術会議が機能を果たせなくなると何が起こるか 政府だけでなく科学者側にも深刻なリスク 国際的な信用低下を避けるため求められる解決策とは 永野博 政策研究大学院大学客員研究員、日本工学アカデミー顧問 ここのところ日本学術会議(以下「学術会議」)のあり方が議論されている。学術会議は内閣府におかれる特別の機関の一つと位置づけられているが、これまで政府内の機関としておくのがよいのか、あるいは政府から独立した機関とするのがよいのかについて、何度か議論されてきている。今回の日本学術会議法の改正案をめぐる議論においては、学術会議の法律上の位置づけはこれまでと同様ということになっているが、学術会議会員の選任方式を巡る議論は落ち着く先が見えていない。 これまで学術会議における後継会員の選考方式は幾度かの変遷を経てはきているが、基本的には学術会議自身において決定してきている。これに対し政府側は、透明性を高