タブーではなくなった? 違憲判決(1/4) 9月の末に出された2件の最高裁判断。これにはとても驚かされた。 1件は、「1票の格差」が最大で4.86倍だった2007年夏の参院選をめぐり、首都圏の弁護士らが選挙無効を求めた訴訟の上告審判決(9月30日)。もう1件は非嫡出子(婚外子)の法定相続分を嫡出子の半分としている民法の規定をめぐる最高裁決定(同日付け)である。 いずれも、相変わらずの合憲判決だったが、驚きの一つ目は、国会が今後改正作業を怠れば、近々憲法違反、つまり違憲判決を出すぞという姿勢が見えたこと。 二つ目の驚きが、少数意見で違憲と判断した中に裁判官出身者の最高裁判事がいたことである。前者の事件では近藤崇晴裁判官、後者の事件では今井功裁判官である。 ○人事・昇格にも影響した「違憲」判決 最高裁裁判官は合計15人。現在、裁判官出身者が6名、検察官出身者が2名、弁護士出身者