Ⅰ.デジタルで写本の目録を構築する意義 後期の授業を通して、タグ付けや情報を共有することの意味を考えた。デジタル技術の発展によって、アナログなものをデジタルに置き換えることで、新しい研究方法が確立されようとしていることを知ることができた。また、研究資料として研究に耐えるものにするには、ただデジタル化すればいいというわけではなく、見栄えよりも科学的根拠や信頼性を検証しながら慎重におこなう必要があることを学んだ。 授業から、貴重書研究のデジタル化が進む中で、貴重書研究に貢献するものとして、所蔵情報と書誌情報を提供する目録の役割は、ますます重要になるのではないかと考えるようになった。 そこで、 もし写本の世界的なオンライン目録が実現したらどのような効果が期待できるかを実際の写本を例に、描いてみたい。 今回対象とする写本とは、西洋中世から近世にかけて制作された写本とする。 現状 の把握 ここでいう