home concept activities member newsletter record COE top 9th Meeting / 第9回研究会 沈黙における対話の可能性 今村 純子 (宗教学OD) はじめに 昨年9月、善/悪、我々/彼らの二元論を告発し続けたアメリカ在住のパレスチナ人、エドワード・W・サイードが急逝した。『現代思想』(青土社)11月増刊号は、「サイード特集」を組んだのであるが、このなかで、在日朝鮮人作家の徐京植のごく短い文章が、ひときわ異彩を放っている。「日本人がいったいどれだけサイードを理解できるか私は疑問である」、「共同体の自明性に安住しているマジョリティにはマイノリティの苦悩は分からない」、「日本の植民地支配の結果による在日朝鮮人が日々感じている<ぎこちなさ>を理解できずに、サイードのそれだけを理解できるわけがない」、とサイードを追悼する静謐な暖かい文章の