自分が絵を描いていた時のことを思い出すと、たぶん現在の私からは想像できないかもしれないのだけれど、ダークな配色で、何を描いてもどこかもの悲しい色合いの作品ばかり描いていた時代が長い間あったように思う。 それから、バーミリオンやクリムゾンのような真っ赤な色を塗りたくっていたことも。やはり作品には、その時の心情が表れるのかもしれない。そんな時代を経て、現在に至る。 光と影は両極のようで本質は一緒。嫌なことがあって心が沈むことがあるかもしれないけれど、その反対に捉え方次第では“光”にもなる。 時々また描きたくなり、油絵ではなく色鉛筆でお絵描きすることがある。 今のテーマは“祈り”や“願い”だったりする。羊毛フェルトの作品も、そんな思いが込められている。 辛いことや悲しみの心が分からなければ、もしかしたら作品は生まれなかったかもしれない。そう思うと、無駄なことなど一つもないように感じるのだけれど…