おせち料理 妻が闘病生活に入る前まで、家事の分担は阿吽の呼吸で行ってきました。予め役割分担を決めていても、お互いの仕事の都合で予定どおりに家事を行なえないこともしばしばで、結局は出来る方が出来ることをやることで落ち着いたのでした。 しかし、共働き夫婦とは言いながらも、家にいる時間は私の方が短く、平日の家事の負担は自ずと妻に偏りがちでした。そのような状況に何となく気が引けていた私は、週末の家事一切を任せてもらうことで自分の足りない分を挽回してバランスを取っていたつもりになっていました。 それでも、おせち料理は必ず夫婦共同で作り続けていました。普段の料理は娘たちにも手伝ってもらうことはありましたが、おせち料理作りは夫婦二人だけの楽しみにしていました。煮豆と伊達巻は妻担当、なますと栗きんとん、それに煮豚は私の担当。あとはデパ地下などでいくつか単品を調達し、それらを私の実家の“お下がり”のお重に詰